その源を尋ね その根を培う
この言葉は大永4年(1524)に後柏原天皇が知恩院門跡存牛
上人に対しておっしゃったものです。
「浄土宗」という宗派は「法然上人(ほうねんしょうに
ん)」によって承安5年(1175)に開かれました。
その時から数えて来年でちょうど850年になります。
法然上人が説く「どんな者でも阿弥陀仏に救いを求め、
南無阿弥陀仏と唱えるならば、間違いなく極楽浄土へ
生まれることができる」というみ教えに、
多くの人が救いを求めました。
自らの罪深さに気づいた人
自分の無力さに膝から崩れ落ちた人
自分が築き上げてきたものや大切な人を失った人…。
仏教は今現在の生活に満足している人には
必要ないでしょう。
社会の価値観と自分の生き方が合っている人は、
そのまま生きれば良いでしょう。
しかし生きていく中で、社会でヨシとされるもの、
例えば健康・若さ・富み・名声・学歴・笑顔等々を
持てないことも、失うことも、多くの人の人生に
訪れることがあるでしょう。
その時に「念仏を唱えていたら、この世でいつか
命が尽きた後に、究極の楽土に往き生まれることができる」
という価値観を持っていることはとても心強いことです。
850年前にそんな価値観を示してくださった
法然上人の「源」を尋ねて、
しっかりと自らの「根」を培いたいものです。