11月前半のことば
「目に見えるものだけに囚われないで」
私たちは五感で知覚できるもの、つまり色や形、音や匂い、味や触感などを頼りにし、求め、それらを信じて生きています。
これらは物質的な現象であり、私たちの生活に欠かせないものです。
しかし、これらは常に変化し、消滅するものです。
それに執着したり、それだけで満足したりすることは、私たちを迷いに導きます。
目に見える物質的なものに執着しすぎると、心の平安を失ってしまいます。
例えば、お金や家、土地、自分に関わる人たち、自分の容姿などにこだわりすぎると、それらを失うことを恐れて不安になったり、それらを得るために他人と競争したり争ったりすることになり、心を疲弊させてしまいます。
これは仏教では「煩悩」と呼ばれる心の病気であり、苦しみの原因と考えます。
仏教では、物質的なものに執着せず、心を清らかに保つことが大切です。
心の平安は、自分の内側にあるものであり、外側にあるものではないのです。