2020年12月10日木曜日

五種正行(ごしゅしょうぎょう) ②(極楽浄土へ心を向ける)

お念仏というのは極めて簡単な行です。

 

「極楽へ往きたい」と願う人にとれば、

 

これほど簡単な行はありません。

 

阿弥陀さまの名前を呼ぶだけですから。

 

しかし「極楽へなんか往きたくない」

 

という人にとってはどれだけ簡単であっても、

 

面倒くさいことでしょう。

 

極楽は往きたい人が必ず往けるところです。

 

往きたい人はお念仏を称えればよいだけです。

 

ただ、「極楽へ往きたい」と思っても

 

その気持ちを持続するのはそれほど

 

容易いことではありません。

 

人間というのは弱いもので、

 

「極楽へ往きたい」と思っても

 

時が経つにつれて段々とその気持ちが薄らいでくるものです。

 

煩悩(ぼんのう)が邪魔をするのです。

 

そもそも普段から私たちは

 

ずっと阿弥陀さまや極楽浄土に

 

心を向けているでしょうか?

 

お寺の本堂やお家のお仏壇に向かっているときは

 

阿弥陀さまや極楽浄土、

 

ご先祖さまに心が向くことでしょう。

 

でも部屋を出た瞬間に

 

「はい、ここからは日常生活」という風に

 

スイッチが切り替わってしまいます。

 

そういう人が多いのではないでしょうか。

 

それでもずっと「極楽へ往きたい」と

 

願う気持ちを維持できれば問題はありません。

 

ただ、その程度の信心というのは

 

実は危ういもので、

 

何か大きなことが起こるとすぐにぐらつきます。


そういう弱い私たちですから、

 

できるだけ日常生活から阿弥陀さまや

 

極楽浄土に向くような生き方をした方がよいのです。