2021年1月13日水曜日

三種行儀(さんしゅぎょうぎ)⑲ 結帰一行三昧(けっきいちぎょうざんまい)

これまで「念仏者の心持ち」として


三心(さんじん)を、


「念仏者の生活」として四修(ししゅ)を、


「念仏実践の行儀」として


「三種行儀(さしゅゅぎょうぎ)を


お伝えしてまいりました。


それらの理論は重要ですが、


言葉や理屈を覚えることが重要なのではありません。


「極楽往生を願って阿弥陀さまにすがって念仏する」


これが重要なのです。


法然上人はこのようにおっしゃっています。


「善導(ぜんどう)の御釈(おんしゃく)を


拝見するに、源空が目には三心(さんじん)、


五念(ごねん)、四修(ししゅ)皆共に


南無阿弥陀仏と見ゆるなり」


つまり「善導大師(ぜんどうだいし)の


み教えを受け取ると、三心(さんじん)も


四修(ししゅ)も三種行儀(さんしゅぎょうぎ)も


すべて南無阿弥陀仏に見えるぞ」ということです。


三心(さんじん)も四修(ししゅ)も


三種行儀(さんしゅぎょうぎ)も、


心に「助け給え、阿弥陀仏」という思いで、


口には「南無阿弥陀仏」と称える、


ということを伝えているのです。


三心(さんじん)とか四修(ししゅ)という


言葉を知らなくても、常に「阿弥陀さま!」と思って


念仏を称えているなら、


それが三心(さんじん)の具わった念仏であり、


四修(ししゅ)や三種行儀(さんしゅぎょうぎ)の


実践になるのです。


「すべて南無阿弥陀仏の一行にこもる」


ということで、このことを


「結帰一行三昧(けっきいちぎょうざんまい)」


と申します。


『一枚起請文(いちまいきしょうもん)』にも、


同様のことが説かれています。


「極楽往生を願って阿弥陀さまにすがって念仏する」


それに尽きるのです。