2021年4月20日火曜日

真身観文(しんじんがんもん)⑪

 (本文)


一一の光明、徧(あまね)く十方(じっぽう)世界を


照らして、念仏の衆生を摂取(せっしゅ)して


捨てたまわず。




(現代語訳)


それぞれの光は、あらゆる世界を照らして、


念仏を称える人々を救い取って決してお捨てになりません。




(解説)


阿弥陀さまの全身から無数の光が放たれて、


念仏を称える者を必ずや救い取ってくださるのです。


「決してお捨てにならない」というのは、


阿弥陀さまがお慈悲の手でもって、


念仏を称える者の手をしっかりと握って


離されることがないということです。


念仏を称える人は、


ただ光に照らされるだけでなく、


阿弥陀さまのお慈悲の手に我が身を委ねて


昼も夜も絶えず護っていただけるのです。


この世においては阿弥陀さまに護られ、


命尽きれば極楽浄土へと導いていただけるのです。


この一文を抜き取って、特別に


「摂益文(しょうやくもん)」といいます。


浄土宗の毎日のおつとめを


「日常勤行式(にちじょうごんぎょうしき)」といい、


この摂益文も組み込まれています。


摂益文について、以前解説していますので、


そちらもご参照ください。


摂益文(しょうやくもん)

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