2021年5月30日日曜日

仏説阿弥陀経⑪

 (本文)


四辺(しへん)に階道(かいどう)あり。


金(こん)・銀(ごん)・瑠璃(るり)・


玻璃(はり)をもって合成(ごうじょう)せり。


上(ほとり)に楼閣(ろうかく)有り。


また金(こん)・銀(ごん)・瑠璃(るり)・


玻璃(はり)・硨磲(しゃこ)・


赤珠(しゃくしゅ)・碼碯(めのう)をもって、


しかもこれを厳飾(ごんじき)せり。






(現代語訳)


〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉


「池の四方には階段があり、


金・銀・瑠璃・水晶からできている。


岸の上には楼閣があり、また金・銀・


瑠璃・水晶・硨磲(しゃこ)・


赤真珠・瑪瑙(めのう)で飾られている」





(解説)


極楽の飾りを「荘厳(しょうごん)」といいます。


荘厳は、阿弥陀仏が仏になるために


修行されていた時代に、


「もし私が仏になったら、こんな浄土をつくりたい!」と


願を建てられて、長く大変なご修行の末に


成し遂げられたものです。


つまり、豪華絢爛な荘厳は、すべて阿弥陀仏の


修行の功徳によってできているものです。


だから永遠不滅なのです。


私たちの世界の邸宅や庭園は、


その持ち主の徳によってできたものではなく、


お金の力でできたものばかりです。


ですからお金によって売り買いされ、


古くなったりお金に困れば壊れてしまうものです。


極楽の荘厳は「功徳の荘厳」ですから、


単なる豪華な建物や庭ではないのです。