2024年7月31日水曜日

8月前半のことば

 8月前半のことば

「親の声 聞こえてきそう 墓洗う」

 

もうすぐお盆です。お盆が近づくと、多くの方がお墓参りをすることでしょう。

お墓を洗い、掃除していると、親の生前の言葉や、共に過ごした思い出がよみがえってきます。

何気ない時に褒めてくれたこと、落ち込んでいる時に励ましてくれた言葉、自分勝手なふるまいを叱られた思い出などが、次々に浮かんでくるかもしれません。

元気な時には受け入れられなかった親の言葉や行動を、長い時間を経て、素直に受け取ることができるようになることもあるでしょう。

また、かつての自分の未熟さに気づいたり、逆に当時の親の未熟さを、今の自分が共感できるようになっている場合もあります。

親も子もお互い凡夫同士です。


お仏壇やお墓をお参りする時には「仏さまが目の前にいらっしゃる」「先に極楽へ行かれたお母さんがここにいてくださる」と、心を向けることが大切です。

仏さま、ご先祖さま、ご両親が「ここに在(ましま)す」「いますが如く」という気持ちで語りかけ、お念仏を称え、心を込めてお墓をきれいにしましょう。

その行為によって、あなたの心も清められることでしょう。


2024年7月14日日曜日

7月後半のことば

「合掌の その同じ手で 蚊を殺め」

 

仏教では生き物を尊重し、できるだけ殺生を避けよと教えられています。

しかしながら、現実には蚊に刺されると反射的に叩いてしまうこともあるでしょう。

理想を語りつつも、現実に実行にうつすことは難しいものです。

殺生だけでなく、私たちは日常生活の中で、理想と現実の間で葛藤することが多々あります。

平和を願いながらも、怒りや憎しみに駆られることもあるでしょう。

これは私自身の煩悩のなせる業です。

「仕方ないじゃない」と開き直るのは簡単ですが、煩悩を野放しにしていると、自らが自らの行いによって、どんどん不幸になってしまいます。

法然上人は煩悩から逃れられない凡夫が極楽浄土へ往くことができる、お念仏の教えを説いてくださいましたが、煩悩の野放しを容認されたわけではありません。

その一つの目安として「足るを喜べているかどうか」と「目上の方を敬い、目下の方を慈しむことができているかどうか」を挙げてくださっています。

いかがでしょうか?

ついついやってしまう行動の中に、自分の煩悩の影響が強くあることに気づき、少しでも気をつけることが大切なのです。