2026年5月31日日曜日

6月前半のことば「遭いがたき 法門に遭う」

 6月前半のことば

「遭いがたき 法門に遭う」                           

 

 仕事の失敗や病気など、人生は思い通りにいかないことばかりです。 あまりの辛さに「生まれてこなければよかった」と、後ろ向きに悩む日もあるでしょう。

 しかし、仏教が説く「輪廻(りんね)」という視点に立つと、今のあなたの価値がガラリと変わります。命は、地獄・餓鬼(がき)・畜生(ちくしょう)・修羅(しゅら)・人・天という「六つの世界」を巡り続けます。苦痛に耐え続ける地獄や、飢えに苦しむ餓鬼の世界では、自分のことで精一杯になり、他者を思いやる余裕など持てません。

 そんな厳しい世界をくぐり抜け、今、人間として生きている。それは、あなたが過去の苦難を自らの努力で乗り越えてきた「誇らしい証(あかし)」なのです。 誰もが、必死に頑張ってこの人間界へやってきました。

 ただし、人間に生まれることが極めて稀なのですから、いずれもっと苦しい境遇へ落ちる恐れがあります。その連鎖から私たちを救うため、阿弥陀仏は「わが名を呼ぶ者は、必ず極楽浄土へ迎えとろう」と誓われました。

 奇跡的に人間となれた私たちが、この救いの教えに出遇(あ)える機会は、さらに貴重で尊いものです。これこそが「遭(あ)いがたき法門に遭う」という言葉の真意です。「南無阿弥陀仏」と口に出して称えましょう。ただそれだけで、長くさまよい続けてきた苦しみの連鎖を抜け出し、極楽浄土へ往生できるのです。

2026年5月14日木曜日

5月後半のことば 「与うる者に功徳は増す」

 5月後半のことば

与うる者に功徳(くどく)は増す


 「他者に何かを与えると、自分に良い報いが返ってくる」仏教には、そんな教えがあります。

 私たちはつい「少しでも得をしたい」と考えがちです。仏教ではこのむさぼる心を「貪(とん)」と呼び、人を苦しめる煩悩の一つと捉えます。

 「家族のために家事をしたのに、感謝されない」

 「楽しみにしていたお弁当が、売り切れている」

 「会議で自分の意見が、なかなか通らない」

 思い通りにならない現実に直面したとき、私たちの心は乱れ、怒りや悲しみが生まれます。こうした「欲求」が満たされない状態こそが、苦しみの正体です。

 この苦しみを手放す方法があります。それが「布施(ふせ)」です。

 布施とは、物やお金を与えることだけではありません。電車で席を譲る。家族に「ありがとう」と伝える。出会った人に笑顔を向ける。こうした小さな行いも、すべて立派な布施です。

 誰かのために行動することで、私たちは自己中心的な欲から解き放たれます。他者を喜ばせる行いは、巡り巡って、あなた自身の心を穏やかにしてくれるはずです。

 今日から少しだけ、周りに「与える」生活を始めてみませんか。