この世は常に変化を続けています。
永遠不滅のものはこの世には一切ありません。
あらゆるものは移り変わります。
そして形あるものは必ずこわれます。
このことを無常といいます。
もちろん私たち自身の命も決して例外ではありません。
生まれてきた者は一瞬一瞬に老いてゆき、
病になり、いつかは必ず命が尽きる日が参ります。
こんなことは誰もが知っていることです。
しかし、普段生活する中で私達はこのこと、
「全ては無常である」ということを忘れがちです。
「俺も死ぬ 信じられぬが ホントだろ」です。
私たちは日々の生活に振り回されてしまい、
刻一刻と迫ってくる「死」というものから
目をそむけて生きているのではないでしょうか?
「いつか死ぬ」のはわかていても、
「今死ぬ」とは思っていません。
そんな私たちを阿弥陀仏という仏さまは、
「救ってやろう」「助けてやろう」
と願ってくださっています。
無常の世界で苦しみ、迷い続けている私たちを
救うために、大変なご苦心の末、
尊き誓いを建てて下さいました。
それは「我が名を呼ぶ者を必ず救うぞ!」という
「阿弥陀さまのお約束」です。
「名を呼べ」という阿弥陀仏の願いに応えて
「なむあみだぶつ」と唱えるのです。
この「阿弥陀さまのお約束」を
「本願(ほんがん)」といいます。
『無常の見方』
アルボムッレ・スマナサーラ