『阿弥陀経(あみだきょう)』の後半は、
東・南・西・北・下・上の六方(ろっぽう)、
要するに「あらゆるところ」におられる仏さまが
みんな「阿弥陀さまの念仏の教えは間違いない
と証明して下さっている」ことが説かれています。
東には○○仏、△△仏、□□仏という仏さまがおられ、
みんな「阿弥陀さまの教えは間違いない」
と証明しておられます。
南には、○○仏、△△仏、□□仏という仏さまがおられ、
みんな「阿弥陀さまの教えは間違いない」
と証明しておられます。
西には、北には、下には、上には、と順番に挙げられ、
どの仏さまも阿弥陀さまを信じてお念仏を称えるように
勧めて下さっています。
くどいほどに多くの仏さまのお名前が出てきて、
「阿弥陀さまの教えは間違いないよ」
と示して下さるのです。
お念仏の教えというのは誰もができる教えですが、
それを信じるのが難しいのですね。
逆説的ですが、「信じられないほど素晴らしい教え」とも
言うことができます。
大本山百万遍知恩寺の阿弥陀経碑
今まで私達は苦しみ迷いの世界を巡り巡ってきました。
どんなに長い間苦しみ続けてきたか。
今念仏の教えに遇って、ようやく極楽浄土へ
往生するチャンスを得ました。
阿弥陀さまの本願を信じてお念仏を称えていたら、
必ず臨終の時に阿弥陀さまが直々にお越し下さり、
間違いなく遙か西の彼方に実際にある
極楽浄土へ往生させていただける。
こんなにありがたいことであるのに
信じるのは難しいのですね。
ですから、これだけたくさんの仏さまが、
「これでも信じられぬか!これでもか!」
と証明して下さっているのです。
ありがたいことです。
仏さま方がこれほどまでに
願って下さっているのですから、
我々は素直に「信じる力」というものを持ちたいものです。
(浄土三部経の項終わる)