2020年6月30日火曜日

浄土三部経⑰(諸仏証誠)


『阿弥陀経(あみだきょう)』の後半は、

東・南・西・北・下・上の六方(ろっぽう)、

要するに「あらゆるところ」におられる仏さまが

みんな「阿弥陀さまの念仏の教えは間違いない

と証明して下さっている」ことが説かれています。

東には○○仏、△△仏、□□仏という仏さまがおられ、

みんな「阿弥陀さまの教えは間違いない」

と証明しておられます。

南には、○○仏、△△仏、□□仏という仏さまがおられ、

みんな「阿弥陀さまの教えは間違いない」

と証明しておられます。

西には、北には、下には、上には、と順番に挙げられ、

どの仏さまも阿弥陀さまを信じてお念仏を称えるように

勧めて下さっています。

くどいほどに多くの仏さまのお名前が出てきて、

「阿弥陀さまの教えは間違いないよ」

と示して下さるのです。

お念仏の教えというのは誰もができる教えですが、

それを信じるのが難しいのですね。

逆説的ですが、「信じられないほど素晴らしい教え」とも

言うことができます。



大本山百万遍知恩寺の阿弥陀経碑




今まで私達は苦しみ迷いの世界を巡り巡ってきました。

どんなに長い間苦しみ続けてきたか。

今念仏の教えに遇って、ようやく極楽浄土へ

往生するチャンスを得ました。

阿弥陀さまの本願を信じてお念仏を称えていたら、

必ず臨終の時に阿弥陀さまが直々にお越し下さり、

間違いなく遙か西の彼方に実際にある

極楽浄土へ往生させていただける。

こんなにありがたいことであるのに

信じるのは難しいのですね。

ですから、これだけたくさんの仏さまが、

「これでも信じられぬか!これでもか!」

と証明して下さっているのです。

ありがたいことです。

仏さま方がこれほどまでに

願って下さっているのですから、

我々は素直に「信じる力」というものを持ちたいものです。

(浄土三部経の項終わる)

9月後半のことば

 9月後半のことば 「多様性 仏の目には 皆凡夫」   近ごろ「多様性」という言葉を耳にしない日はありません。会議でも学校でも、街頭のポスターにすら踊っています。確かに、人は千人いれば千人、百人いれば百人、異なる価値観や性格を持っている。それは事実です。しかし、だからといってその...