2020年9月3日木曜日

所求・所帰・去行③(聖道門と浄土門)

③聖道門と浄土門

 

苦の原因である「煩悩を断ち切るため」の、

 

様々な修行方法が示され、多くの宗派が生まれました。

 

各宗派は自らの宗派こそが苦しみから逃れることができる正当な仏教であると主張します。

 

法然上人の教えの上での師匠は

 

「善導大師(ぜんどうだいし)」という方です。

 

そして善導大師の師匠は

 

「道綽禅師(どうしゃくぜんじ)」という方です。

 

この「道綽禅師(どうしゃくぜんじ)」が

 

たくさんある仏教の教えを大きく二つに分け、

 

浄土の教えを位置づけてくださっています。

 

一つは「聖道門(しょうどうもん)」といい、

 

もう一つは「浄土門」といいます。

 

「聖道門(しょうどうもん)」は苦の原因たる

 

煩悩を断ちきるために自ら修行をします。

 

天台宗や真言宗、南都六宗(なんとりくしゅう)など

 

多くの宗派が「聖道門(しょうどうもん)」です。

 

「何度生まれ変わってでも少しでも仏に近づこう」という

 

壮大な目標に向かい、煩悩を断ち尽くすために

 

努力を繰り返す、非常に尊くも厳しい道です。

 

一方の「浄土門」は、自分を見つめた時に、

 

「私は何度生まれ変わっても、とうてい自らの修行で

 

煩悩を断つことなどできない」と自覚した者が、

 

「南無阿弥陀仏」と称え、阿弥陀仏の力によって

 

西方極楽浄土へ往生する、という教えです。

 

もちろん私たちの浄土宗は「浄土門」です。