2020年9月2日水曜日

所求・所帰・去行④(所求)

浄土宗の教えは「所求(しょぐ)」「所帰(しょき)」

 

「去行(こぎょう)」の三つで表すことができます。

 

いわば「浄土宗の三本柱」です。

 

「所求(しょぐ)」とは、「求める所の土」

 

すなわち「どこに行きたいのか?」ということです。

 

それはもちろん「西方極楽浄土」です。

 

法然上人御作『一紙小消息(いっしこしょうそく)』に

 

この「所求(しょぐ)」「所帰(しょき)」

 

「去行(こぎょう)」について書かれている箇所があります。

 

まずは「所求(しょぐ)」についての箇所です。

 

「十方に浄土多けれど、西方を願うは

 

十悪五逆の衆生の生まるる故なり。

 

諸佛の中に弥陀に帰したてまつるは

 

三念五念に至るまで、自ら来迎し給う故なり。

 

諸行の中に念仏を用うるは、かの佛の本願なる故なり」

 

 

十方とは四方八方上下のことです。

 

つまりあらゆるところということです。

 

あらゆる方角に浄土はあります。

 

そして浄土の数だけ仏さまはおられます。

 

無数の浄土に無数の仏さまがおられます。

 

東方瑠璃光浄土(とうほうるりこうじょうど)には、

 

薬師如来がいらっしゃり、お釈迦さまは、

 

無勝荘厳浄土(むしょうしょうごんじょうど)

 

にいらっしゃいます。

 

阿弥陀さまのいらっしゃる浄土が西方極楽浄土です。

 

なぜ数ある浄土の中で、

 

わざわざ阿弥陀さまの西方極楽浄土なのか、というと、

 

十悪五逆(じゅうあくごぎゃく)の人が

 

往生できるからなのだ、というのです。