2020年12月23日水曜日

安心(あんじん)③ 総安心(そうあんじん)その二

 


 

無量寿経の中に


「有田憂田有宅憂宅(うでんうでんうたくうたく)

 

という言葉があります。

 

「田があれば田を憂い、家があれば家を憂い」

 

田を持っているならそれを喜べばいいけれども、

 

「こんな小さな田んぼなんて」

 

と不満を言い、

 

「耕さないと持っていかれてしまうから

 

耕さないといけない」と不平を言い、

 

「こんだけしか収穫しないのに手間はかかる」

 

とグチを言う。

 

しまいには「手放そうか、人に任そうか、どうしようか」


思い悩む。

 

また、住む家があればそれだけで幸せなことと

 

喜べばいいけれども、そういう人は少ない。

 

「こんな古い家」と文句を言い、

 

「私の趣味と違う」と不平を言い、

 

「この部屋は北向きだから寒い」

 

「すきま風だらけだ」

 

「この家は夏は暑くて冬は寒い」と挙げたらキリがない。

 

これが私たちの日常ではないでしょうか。

 

そんな生き方では絶対に幸せにはなることはできません。

 

ある精神科医の先生が「不平不満を言い、怒ってばかりの人は

 

幸せにはなれないと断言します」と仰っていました。

 

瞋りの煩悩は自分を攻撃します。

 

そして、頭の中が不満だらけで

 

不満を口にしてばかりの人は、

 

ずっと不満だらけですから、

 

当然いつも不幸せです。