無量寿経の中に
「有田憂田有宅憂宅(うでんうでんうたくうたく)」
という言葉があります。
「田があれば田を憂い、家があれば家を憂い」
田を持っているならそれを喜べばいいけれども、
「こんな小さな田んぼなんて」
と不満を言い、
「耕さないと持っていかれてしまうから
耕さないといけない」と不平を言い、
「こんだけしか収穫しないのに手間はかかる」
とグチを言う。
しまいには「手放そうか、人に任そうか、どうしようか」
と思い悩む。
また、住む家があればそれだけで幸せなことと
喜べばいいけれども、そういう人は少ない。
「こんな古い家」と文句を言い、
「私の趣味と違う」と不平を言い、
「この部屋は北向きだから寒い」
「すきま風だらけだ」
「この家は夏は暑くて冬は寒い」と挙げたらキリがない。
これが私たちの日常ではないでしょうか。
そんな生き方では絶対に幸せにはなることはできません。
ある精神科医の先生が「不平不満を言い、怒ってばかりの人は
幸せにはなれないと断言します」と仰っていました。
瞋りの煩悩は自分を攻撃します。
そして、頭の中が不満だらけで
不満を口にしてばかりの人は、
ずっと不満だらけですから、
当然いつも不幸せです。