2020年12月24日木曜日

安心(あんじん)② 総安心(そうあんじん)その一

 安心(あんじん)には総安心(そうあんじん)と

 

別安心(べつあんじん)があります。

 

総安心(そうあんじん)は

 

安心(あんじん)の総まとめであり、

 

「厭離穢土(えんりえど)欣求浄土(ごんぐじょうど)」

 

と表現します。

 

「穢土(えど)」とは、

 

この「娑婆(しゃば)世界」のことです。

 

「穢土(えど)を厭(いと)い離れて

 

浄土を願い求めよ」という意味です。

 

これは、「この世なんて生きてても何の価値もないんだ」

 

という、ただの厭世(えんせ)思想ではありません。

 

そうではなく、この世を正面からまっすぐに見るのです。

 

この世は思い通りにならない

 

「四苦八苦」の人生である。

 

思い通りにならずに、

 

自らを苦しめて日々を過ごしている私である、

 

ということをまず認めた上で浄土を願い求めるのです。

 

武士が戦場で目印として旗につける紋や文字を

 

旗印(はたじるし)といいます。

 

この「厭離穢土(えんりえど)

 

欣求浄土(ごんぐじょうど)」は、

 

徳川家康公の旗印(はたじるし)です。

 

徳川家は代々浄土宗なのです。

 

家康公は浄土宗の教えに基づいて、

 

日々六万遍もお念仏を称えたと伝えられます。

 

その家康公の旗印(はたじるし)が、

 

「厭離穢土(えんりえど)欣求(ごんぐ)浄土」

 

なのです。