これら「五種正行(ごしゅしょうぎょう)」を
大きく二つに分けます。
善導大師(ぜんどうだいし)の
『観経疏(かんぎょうしょ)』に、
このような一文があります。
「一心にただひたすら、阿弥陀さまのお名前を称え、
いつでもどこでも、昼も夜も忘れずに
ずっとお念仏を続けることを
正定の業(しょうじょうのごう)と名付ける。
これが阿弥陀さまの本願(ほんがん)であるから」
開宗の文
「正定の業(しょうじょうのごう)」というのは、
「極楽へ往くための行い」
という意味です。
この善導大師(ぜんどうだいし)のお言葉を
「浄土宗開宗(かいしゅう)の文(もん)」といいます。
この一文によって法然上人は浄土宗を開かれました。
「南無阿弥陀仏」と、ただひたすら称える。
この一行こそが極楽往きの王道である、
なぜならそれは極楽の主である阿弥陀さまが
「わが名を称えよ。称える者を救うぞ」
と先にお誓いくださっている
「本願(ほんがん)」だからなのです。
ですから、「口称正行(くしょうしょうぎょう)」を
「正定の業(しょうじょうのごう)」と位置づけるのです。