三種行儀(さんじゅぎょうぎ)の三つ目は
臨終行儀(りんじゅうぎょうぎ)です。
かつて、お医者さまからご臨終と言われたのに、
後からから蘇生した、という話をよく聞きました。
その中には、臨終と聞いてから、
家族や親族が当人の悪口を言い、
それがすべて当人に聞こえていた、
という恐ろしい話もいくつも聞きます。
臨終の枕辺で悪口を言うものではない、
と昔から伝えられます。
どうかお心得ください。
私はお通夜の際に
「お通夜の儀式は一旦終わりますが、
本当のお通夜はこれからです。
お参りの皆さんは、お家に帰られましても
どうかそれぞれ故人を阿弥陀さまに
お任せする思いをもって
お念仏してお過ごし下さい」といつも言います。
お身内の方は、ご臨終の方のそばで、
「感謝の言葉」や「言い足りないこと」、
「今まで言いそびれてきたこと」を伝えるのもいいでしょう。
そして何よりも、お念仏をお称えして
お過ごしいただきたいのです。
お念仏を称えてきた人、お念仏で送られていく人が、
臨終の時に迷われることはありません。
阿弥陀さまが来てくださるのですから。
臨終を迎えるご本人も、送る方も
「必ず阿弥陀さまがお迎えにお越しくださる」
と思い定めることが大切です。