(本文)
仏、阿難(あなん)および
韋提希(いだいけ)に告げたまわく。
下品下生(げほんげしょう)の者とは、
あるいは衆生(しゅじょう)あって、
不善の業(ごう)たる五逆(ごぎゃく)
十悪(じゅうあく)を作(な)して、
諸もろの不善を具(ぐ)す。
(現代語訳)
釈尊が阿難(あなん)と韋提希(いだいけ)に仰せになった。
「下品下生(げほんげしょう)の者とは、
次のような悪人のことである。
ある人が不善の業(ごう)である
五逆(ごぎゃく)や十悪(じゅうあく)を犯し、
その他にもあらゆる悪事に手を染めている。
下品下生(げほんげしょう)の者とは、
代表的な悪事である五逆(ごぎゃく)や十悪(じゅうあく)、
様々な悪事を働いてきた者です。
五逆(ごぎゃく)とは、
㈠母親を殺める
㈡父親を殺める
㈢阿羅漢(あらかん)を殺める
※阿羅漢(あらかん)…尊敬されるべき修行完成者。
㈣僧団をバラバラに仲違いさせる
㈤仏さまを傷つける
の五つの大罪です。
十悪(じゅうあく)については、
「所求(しょぐ)・所帰(しょき)・去行(こぎょう)」
の項に上げていますので、ご参照ください。