前回まで「二河白道(にがびゃくどう)」の
譬喩をご紹介してまいりました。
今回からはこの譬喩が何を意味しているのかについて、
善導大師(ぜんどうだいし)ご本人の解説をご紹介します。
東の岸というのは、私たちの「現実の苦悩の世界」
をあらわします。
西の岸は、極楽浄土をあらわします。
また、私たちは目や耳、鼻、舌、身体、心で
様々な感覚を味わい、考え、喜び、悩み、
楽しみ、苦しみます。
そういった外部からの数え切れないほど多くの
情報に反応して私たちの心は揺れ動きます。
譬えの中に出てくる獣はそれらの情報や
情報を受け取る我々自身をあらわします。
旅人が一人寂しく彷徨っているのは、
「本当に自分を良い方に導いてくれる友」と
未だに遭っていない私たちの状況をあらわします。
次回は水の河と火の河が
何をあらわすのかをお伝えします。