2021年4月27日火曜日

真身観文(しんじんがんもん)④

 (本文)


仏身(ぶっしん)の高さ、六十万億(ろくじゅうまんのく)


那由他(なゆた)恒河沙由旬(ごうがしゃゆじゅん)なり。




(現代語訳)


阿弥陀仏の背の高さは、六十万億(ろくじゅうまんのく)


那由他(なゆた)恒河沙由旬(ごうがしゃゆじゅん)です。





(解説)


次に阿弥陀さまの背の高さです。


阿弥陀さまの身長は


六十万億那由他恒河沙由旬


(ろくじゅうまんのくなゆたごうがしゃゆじゅん)


と説かれています。


由旬(ゆじゅん)はサンスクリット語のヨジヤナの


音訳で、距離の単位を示します。


一由旬は約7キロメートルです。


那由他(なゆた)もサンスクリット語の音写で、


数の単位を表す言葉です。


恒河沙(ごうがしゃ)はガンジス川の砂の数ですから、


無数を表します。


ということは、六十万億那由他恒河沙由旬は


もはや数字で表すことができないほど大きいことを


示しているといえます。


お経にはこのように、とんでもない高さや大きさが


表現されることがしばしばあります。


このような表現はそもそも、


世俗の単位や価値観によるものですから、


覚りの世界の価値観とは異なるはずです。


しかしながら、覚っていない凡夫に、


覚りの世界を紹介しても理解できません。


だから「仮に俗世間の価値観でいうならば、


こんなに大きいのだよ」と表現せざるを得ないのです。


数えることのできない数量を説いて、


仏の偉大さを表しているのだとお受け取りください。