(本文)
仏身(ぶっしん)の高さ、六十万億(ろくじゅうまんのく)
那由他(なゆた)恒河沙由旬(ごうがしゃゆじゅん)なり。
(現代語訳)
阿弥陀仏の背の高さは、六十万億(ろくじゅうまんのく)
那由他(なゆた)恒河沙由旬(ごうがしゃゆじゅん)です。
(解説)
次に阿弥陀さまの背の高さです。
阿弥陀さまの身長は
六十万億那由他恒河沙由旬
(ろくじゅうまんのくなゆたごうがしゃゆじゅん)
と説かれています。
由旬(ゆじゅん)はサンスクリット語のヨジヤナの
音訳で、距離の単位を示します。
一由旬は約7キロメートルです。
那由他(なゆた)もサンスクリット語の音写で、
数の単位を表す言葉です。
恒河沙(ごうがしゃ)はガンジス川の砂の数ですから、
無数を表します。
ということは、六十万億那由他恒河沙由旬は
もはや数字で表すことができないほど大きいことを
示しているといえます。
お経にはこのように、とんでもない高さや大きさが
表現されることがしばしばあります。
このような表現はそもそも、
世俗の単位や価値観によるものですから、
覚りの世界の価値観とは異なるはずです。
しかしながら、覚っていない凡夫に、
覚りの世界を紹介しても理解できません。
だから「仮に俗世間の価値観でいうならば、
こんなに大きいのだよ」と表現せざるを得ないのです。
数えることのできない数量を説いて、
仏の偉大さを表しているのだとお受け取りください。