2021年5月13日木曜日

仏説阿弥陀経㉘

舎利弗(しゃりほつ)、


南方世界(なんぼうせかい)にも


日月燈仏(にちがっとうぶつ)、


名聞光仏(みょうもんこうぶつ)、


大焔肩仏(だいえんけんぶつ)、


須弥燈仏(しゅみとうぶつ)、


無量精進仏(むりょうしょうじんぶつ)


有(ましま)す。


かくの如き等(ら)の


恒河沙数(ごうがしゃしゅ)の諸仏、


各おのその国において、


広長(こうじょう)の舌相(ぜっそう)を


出(い)だして、遍く三千大千世界に覆いて、


誠実(じょうじつの)の言(ことば)を説きたまう。


汝等(なんじら)衆生(しゅじょう)、


まさにこの称讃(しょうさん)


不可思議功徳(ふかしぎくどく)


一切諸仏(いっさいしょぶつ)


所護念経(しょごねんぎょう)を信ずべし。






(現代語訳)


〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉


「舎利弗(しゃりほつ)よ、


南方世界(なんぼうせかい)にも


日月燈仏(にちがっとうぶつ)、


名聞光仏(みょうもんこうぶつ)、


大焔肩仏(だいえんけんぶつ)、


須弥燈仏(しゅみとうぶつ)、


無量精進仏(むりょうしょうじんぶつ)がおられる。


それらのガンジス川の砂の数ほどの、


数え切れないほど多くの仏さまが、


各々の国において、大きな舌を出して、


三千大千世界を覆って、


次のような真実の言葉を説くのである。


あなたがたは、まさにこの阿弥陀仏の


計り知れない功徳を讃え、


すべての仏によって護られることを説く


経典を信じなさいと」






(解説)


諸仏が讃える「阿弥陀仏の不可思議功徳」とは、


極楽浄土の素晴らしさ、阿弥陀仏のお慈悲、


「すべての人々が念仏を称えることで救われる」


こと等、仏の知見をもってしても計ることが


できない功徳です。


「凡夫(ぼんぶ)が、ただ南無阿弥陀仏と称えるだけで


救われる」ということは、


困難中の困難であるはずです。


しかし阿弥陀仏の不可思議なる功徳を以てすると、


いとも容易く達成され、


しかも一人も漏れることがないというのです。


当たり前のことではない、


実に不可思議な功徳なのです。