(本文)
舎利弗(しゃりほつ)、
我(われ)今(いま)阿弥陀仏の
不可思議功徳を讃歎(さんだん)するがごとく、
東方(とうぼう)にまた、
阿閦鞞仏(あしゅくびぶつ)、
須弥相仏(しゅみそうぶつ)、
大須弥仏(だいしゅみぶつ)、
須弥光仏(しゅみこうぶつ)、
妙音仏(みょうおんぶつ)有(ましま)す。
かくの如き等(ら)の
恒河沙数(ごうがしゃしゅ)の諸仏、
各おのその国において、
広長(こうじょう)の舌相(ぜっそう)を
出(いだ)して遍(あまね)く
三千大千世界(さんぜんだいせんせかい)に
覆(おお)いて、誠実(じょうじつ)の
言(ことば)を説きたまう。
汝等(なんじら)衆生(しゅじょう)、
まさにこの称讃(しょうさん)
不可思議功徳(ふかしぎくどく)
一切諸仏(いっさいしょぶつ)
所護念経(しょごねんぎょう)を信ずべし。
(現代語訳)
〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉
「舎利弗(しゃりほつ)よ、
私が今、阿弥陀仏の計り知れない功徳を
誉め称えているように、
東方の世界にもまた、
阿閦鞞仏(あしゅくびぶつ)、
須弥相仏(しゅみそうぶつ)、
大須弥仏(だいしゅみぶつ)、
須弥光仏(しゅみこうぶつ)、
妙音仏(みょうおんぶつ)がおられる。
それらのガンジス川の砂の数ほどの、
数え切れないほど多くの仏さまが、
各々の国において、大きな舌を出して、
三千大千世界を覆って、
次のような真実の言葉を説くのである。
あなたがたは、まさにこの阿弥陀仏の
計り知れない功徳を讃え、
すべての仏によって護られることを説く
経典を信じなさいと」
三千大千世界についてはこちらをご参照ください
↓
https://hourinji.blogspot.com/2021/04/blog-post_17.html
(解説)
ここから先は今までとガラッと様相が変わります。
東・南・西・北・下・上におられる
仏さま方(六方の諸仏)と釈尊が、
阿弥陀仏の徳を讃え、
「念仏を称える者が必ず極楽浄土へ
往生できる」という教えが真実であると
証明してくださいます。
更に「念仏を称える者は諸仏にお護りいただける」
というご利益(りやく)が
あることが説かれるくだりです。
『阿弥陀経』のこの箇所は
六方の諸仏が登場するので
「六方段(ろっぽうだん」と呼ばれます。
また諸仏に護っていただけるので
「護念経」とお呼びすることもあります。