2021年5月2日日曜日

仏説阿弥陀経㊴

(本文)


仏、この経を説きおわりたもうに、


舎利弗(しゃりほつ)及び諸もろの比丘(びく)、


一切世間、天(てん)・人(にん)・


阿修羅等(あしゅらとう)、


仏の所説を聞きて。


歓喜(かんぎ)し信受(しんじゅ)して、


礼(らい)を作(な)して去りき。


仏説阿弥陀経 (ぶっせつあみだきょう)






(現代語訳)


釈尊がこの経典を説き終わられると、


舎利弗(しゃりほつ)および多くの僧侶たち、


そしてあらゆる世界の


天人・人・阿修羅などが、


釈尊が説かれる教えを聞いて、


大変喜び、そんお教えを素直に受け取り、


釈尊に礼拝して去って行かれた。


釈尊が説かれた『阿弥陀経』




(解説)


この『阿弥陀経』は釈尊が誰かからの


質問を受けて説き出されたのではありません。


自ら「この法を説いてやりたい」とのご意志から


説いてくださったお経です。


内容の殆どが釈尊が


舎利弗尊者(しゃりほつそんじゃ)に


聴衆を代表させて、「舎利弗よ」と


繰り返し呼びかけながら説かれました。


この前段までがそのようにして説かれた教えです。


最後の段は結びです。


教えを聴いた仏弟子、天人、阿修羅、菩薩にいたるまで


「なんと有り難い教えだ」と悦びに満たされます。


そして「弥陀・釈迦・諸仏がお勧めくださる教え」を


素直に信じ受け入れて、釈尊に礼拝(らいはい)して


この座を去ってゆく場面を描いて締めくくられるのです。


私たちもこのみ教えに出会えたことを悦び、


極楽往生を願って念仏を称え、この世での


寿命尽きる時までしっかりと生き切りましょう。


(『阿弥陀経』の項終わる)