2020年7月11日土曜日

浄土三部経⑥(五劫思惟)

どうしたらそれが実現できるだろう。

五劫(ごこう)とも言われる長い時間をかけ、悩みに悩まれます。

「劫(こう)」というのは時間の単位です。

『浄土宗大辞典』にはこのように説明されています。


①四方一由旬(いちゆじゅん)の鉄城に

芥子(けし)粒を満たし、

百年ごとに一粒取り去ることを繰り返し、

空になっても劫は終わらない。


②四十里四方の石を百年ごとに

細軟の布で払拭し、その石が磨滅しても

劫は終わらない。


①の説を芥子劫(けしこう)といい、

②の説を盤石劫(ばんじゃくこう)といいます。

いずれの説にしても、とてつもなく長い時間を

指すことは明らかです。

五劫もの長い時間が経てば、

法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)さまの髪の毛も

さぞ長く伸びてしまうことでしょう。

このお姿を表したお像が各地にあります。

奈良市の東大寺勧進所(かんじんしょ)や五劫院(ごこういん)の

「五劫思惟像(ごこうしゆいぞう)」は重要文化財に指定されています。

また浄土宗の大本山金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)、

百万遍知恩寺(ひゃくまんべんちおんじ)には

石像の「五劫思惟像(ごこうしゆいぞう)」が祀られています。


五劫思惟像(浄土宗大本山金戒光明寺)



まるで「アフロヘアー」のようなユニークなお姿を

拝みたいと多くの方がお参りされます。