2020年8月9日日曜日

所求・所帰・去行㉗(極楽の蓮池に)

生前のお念仏の功徳が積もり、

 

いよいよ臨終を迎えた時に

 

阿弥陀さまがたくさんの菩薩を引き連れて

 

お迎えくださることを申して参りました。

 

その菩薩の中には先に極楽へ往かれた方々も

 

いてくださり、さぞ安心できることでしょう。

 

そして、その菩薩方の先頭には

 

「観音菩薩」がおられ、「蓮の台」を

 

差し出してくださいます。

 

観音さまは、あなたをヒョイと蓮の台に乗せてくださり、

 

蓮の花びらに包まれます。

 

その時には人生で味わった、

 

様々な苦しみや悩みや痛みなどの

 

あらゆる不快を取り除いていただき、

 

安楽へといざなわれます。

 

そして、次の瞬間には極楽浄土の蓮池の上に

 

生まれていることでしょう。

 

死んでから長い時間をかけてトボトボと

 

向かうのではありません。

 

瞬く間に極楽へ往生できます。

 

これを「即得往生(そくとくおうじょう)」といいます。

 

極楽の蓮池の上に生まれたら、後はワクワクして

 

花が開くのを待つだけです。

 

開く時間について、『観無量寿経』に記述があります。

 

先に我々の日常は「十悪」である、と申しました。

 

 十悪

https://hourinji.blogspot.com/2020/08/blog-post_10.html

 


『観無量寿経』には、十悪の者が極楽へ往生して、


その花が開くのは四十九日後である、と示されています。

 

四十九日までの間、近しい人は

 

「阿弥陀さま、○○さんを頼みますね」と

 

お念仏を称えて○○さんに尽くしましょう

 

もちろんそうしないと花が開かないのではありませんが、

 

生前に関係の深かった人は

 

○○さんのご生涯に敬意を込めて、

 

〇〇さんを偲びながら、しっかりとお念仏を称える

 

四十九日間をお過ごしください。

 

四十九日経ったら、○○さんの蓮の花が

 

開く様子に思いを寄せましょう。

 

蓮の花が開いたら、目の前は憧れの極楽浄土です。

 

阿弥陀さま、観音・勢至菩薩、そして先に往生した

 

方々と、手に手を取り合って再会を喜び合うことが

 

できるでしょう。

 

あなたが極楽で大切な方と再会したら

 

どんなお声をかけますか?

 

「あなたが亡くなった後、どれほど寂しかったか!」

 

と訴えかけるかもしれません。

 

お相手は「それは寂しい思いをさせてしまったね。

 

ずっと見てたよ。

 

でも、あなたのことをずっと見てたよ。

 

よくお念仏を称えてくれてたね。

 

ありがとう。

 

あなたもお念仏を称えて極楽に来てくれた

 

おかげでこうやって再会できたよ」

 

とお喜びくださることでしょう。

 

浄土宗の位牌の多くは、戒名が彫られた札の下に

 

蓮の花びらが彫られています。

 

それは正に「極楽に往生されたお姿」

 

を表しているのです。