2020年10月4日日曜日

浄土宗のおつとめ⑩(懺悔偈〈さんげげ〉その三)

「自分の犯した罪」を告白するというと、

 

「先日、人の悪口を言ってしまいました」

 

「嘘をついてしまいました」

 

場合によっては

 

「暴力を振るってしまいました」

 

など、近日中に起こしたことが

 

対象になるのが普通でしょう。

 

しかしこの「懺悔偈(さんげげ)」における

 

告白は、記憶にない「前世(ぜんせ)」からの

 

悪い行いをも含みます。

 

前世の前を辿っていっても、そのスタート地点は

 

見つかりません。

 

私たちの命には「始まりなし」というのです。

 

それを「無始(むし)」といいます。

 

私が昔から起こしてきた数々の悪い行いは、

 

「無始(むし)」つまり「始まりのない昔」からの

 

貪・瞋・癡(とん・じん・ち)」による、

 

というのです。

 

貪・瞋・癡(とん・じん・ち)」は

 

三毒の煩悩(さんどくのぼんのう)」といって、

 

自分を苦しめる根本的な煩悩です。

 

貪(とん)」は「飽くなき欲求」です。

 

欲しい物が手に入っても満足しない、

 

欲深い心です。

 

「瞋(しん)」は自分の気にくわないことがあると、

 

腹を立てる、怒りの心です。

 

癡(ち)」は

 

「自分だけを生かそう、生かそうとする心」です。

 

詳しくは先のブログで解説していますので

 

ご参照ください。

 

貪について

https://hourinji.blogspot.com/2020/08/blog-post_16.html


瞋、癡について

https://hourinji.blogspot.com/2020/08/blog-post_17.html