2020年8月25日火曜日

所求・所帰・去行⑪(十悪 貪欲)

先に十悪の最後の三つを

 

「限りなくむさぼる」

 

「気にくわないことがあると怒る」

 

「真理に逆らって正しくものごとを見ることができない」

 

このように表現しました。

 

この三つは私たちの「煩悩」そのものです。

 

「限りなくむさぼる」ことを

 

「貪欲(とんよく)」といいます。

 

皆さんは欲しい物がありますか?

 

もしあるとすれば、欲しくてたまらない物が

 

手に入った時の状況を思い浮かべてください。

 

本当に欲しい物が長年の苦労が成就して、

 

手に入りました。

 

手に入った瞬間は「もう他に何もいらない!」と

 

思うかもしれません。

 

しかし、その満足感は長く続かず、

 

次にまた別の物を欲しくなることでしょう。

 

「欲しい」という「欲」は「物」とは限りません。

 

お金、土地、美貌、若さ、地位、名誉、人・・・。

 

雨が降れば「晴れ」を欲しがり、

 

晴れれば「雨」を欲しがります。

 

争いが起これば「平和」を求め、

 

平和になれば「争い」を求めます。

 

いつまでたっても満足することはありません。

 

これが「貪欲(とんよく)」です。


9月後半のことば

 9月後半のことば 「多様性 仏の目には 皆凡夫」   近ごろ「多様性」という言葉を耳にしない日はありません。会議でも学校でも、街頭のポスターにすら踊っています。確かに、人は千人いれば千人、百人いれば百人、異なる価値観や性格を持っている。それは事実です。しかし、だからといってその...