2020年9月9日水曜日

浄土宗のおつとめ㉟(送仏偈〈そうぶつげ〉その一

いよいよ最終の「送仏偈(そうぶつげ)」です。

 

(本文)

 

請仏随縁還本国(しょうぶつずいえんげんぽんごく)

 

普散香華心送仏(ふさんこうけしんそうぶつ)

 

願仏慈心遥護念(がんぶつじしんようごねん)

 

同生相勧尽須来(どうしょうそうかんじんしゅらい)

 

(書き下し)

 

請うらくは、仏、縁に随って本国に還りたまえ

 

普く香華(こうけ)を散じ、心に仏を送りたてまつる

 

願わくは、仏の慈心遥かに護念したまえ

 

同生(どうしょう)相い勧む、尽く須(すべから)く来るべし

 

(現代語訳)

どうか仏さま、それぞれの縁に随って、

 

本国へお還りください。

 

香を焚いて、華を撒いて

 

心より仏さま方をお送りします。

 

どうか仏さま、慈悲の御心をもって、

 

遙か彼方よりお護りください。

 

「極楽往生を目指す者同士が、

 

お互い勧め合って、みんな極楽へ来ることが

 

できるように」と。

 

序章において、「四奉請(しぶじょう)」を唱え、

 

仏さまや菩薩さま方をお迎えしました。

 

その仏菩薩をお送りするのが

 

この「送仏偈(そうぶつげ)」です。

 

お焼香には「迎送(こうそう)」という意味がある、

 

と「香偈(こうげ)」の項でお伝えしました。

 

https://hourinji.blogspot.com/2020/09/blog-post_9.html

 

 

香の煙に乗って仏菩薩はお出ましくださり、

 

香の煙に乗ってお帰りくださるのだ、

 

という思いでお焼香します。

 

もちろん線香でも結構です。

 

仏菩薩を敬い、丁重にお送りする心が大切です。