2020年11月3日火曜日

四障四機(ししょうしき)①〈機(き)〉

どれだけよい薬を勧められても、 

 「病気である」という自覚のない人にとっては、 

 薬の必要性は感じられません。 

 仏教も同じように、 

 どれだけ素晴らしい教えがあっても、 

 「私は何の不自由もありません」という人には

 その必要性は感じられないものです。 

 ですから「自分はどのような能力があり、 どういう者なのか?」

を知ることが仏教の入り口になります。

 その「能力・人柄・人としての器」のことを 

 「機(き)」と申します。 

 「機を知る」ことが大切です。 

 私たちはどんな能力を持ち、 

 どういう人柄なのかを知るのです。 

 「自分の正体を知る」と言ってもよいでしょう。  

自分は果たして極楽へ往生できるような 「機」なのかどうか。 

「機」を紐解きますと、

 「疑心(ぎしん)、懈怠(けだい)、自力、高慢」 の

四つに収まると教えられます。 

 これらは、極楽への往生を邪魔する四つの障り、  

という意味で「四障(ししょう)」と申します。