2020年12月16日水曜日

安心(あんじん) ⑩廻向発願心(えこうほつがんしん)その一

次に廻向発願心(えこうほつがんしん)です。

 

廻向(えこう)は「回向」とも書き、

 

自ら積んだ功徳(くどく)を「回し向ける」ことです。

 

お寺とのご縁がある方は、

 

盆施餓鬼(ぼんせがき)やお彼岸で

 

塔婆(とうば)を上げて廻向(えこう)

 

なさることもあるでしょう。

 

ご法事やお月参りでも廻向(えこう)は欠かせません。

 

廻向(えこう)には大きく二つあります。

 

一つは「自分にいただいた功徳(くどく)を

 

他者に振り向けること」です。

 

これがご法事やお月参り、

 

盆施餓鬼(ぼんせがき)やお彼岸の廻向(えこう)です。

 

自分がお念仏を称えれば、

 

阿弥陀さまはお慈悲の光で照らして下さいます。

 

その功徳(くどく)を亡き人に

 

「どうぞ」と振り向けるのです。

 

もう一つは、

 

「自分自身の心を極楽へ、阿弥陀さまへ向ける」

 

ことです。

 

時には人の手助けをすることもあるでしょう。

 

お年寄りに席をゆずることもあるでしょう。

 

それは別に極楽へ往くために行った善ではありません。

 

でも、自分が行ったわずかな善でも、

 

極楽往きに使いたい。

 

そう思えるほどに極楽へ心を向けていくのです。

 

廻向発願心(えこうほつがんしん)の

 

「発願(ほつがん)」は「願う心」です。

 

総合しますと、

 

「廻向発願心(えこうほつがんしん)」とは

 

「とにかく、何が何でも極楽へ往きたい!と願う心」

 

なのです。