次に廻向発願心(えこうほつがんしん)です。
廻向(えこう)は「回向」とも書き、
自ら積んだ功徳(くどく)を「回し向ける」ことです。
お寺とのご縁がある方は、
盆施餓鬼(ぼんせがき)やお彼岸で
塔婆(とうば)を上げて廻向(えこう)
なさることもあるでしょう。
ご法事やお月参りでも廻向(えこう)は欠かせません。
廻向(えこう)には大きく二つあります。
一つは「自分にいただいた功徳(くどく)を
他者に振り向けること」です。
これがご法事やお月参り、
盆施餓鬼(ぼんせがき)やお彼岸の廻向(えこう)です。
自分がお念仏を称えれば、
阿弥陀さまはお慈悲の光で照らして下さいます。
その功徳(くどく)を亡き人に
「どうぞ」と振り向けるのです。
もう一つは、
「自分自身の心を極楽へ、阿弥陀さまへ向ける」
ことです。
時には人の手助けをすることもあるでしょう。
お年寄りに席をゆずることもあるでしょう。
それは別に極楽へ往くために行った善ではありません。
でも、自分が行ったわずかな善でも、
極楽往きに使いたい。
そう思えるほどに極楽へ心を向けていくのです。
廻向発願心(えこうほつがんしん)の
「発願(ほつがん)」は「願う心」です。
総合しますと、
「廻向発願心(えこうほつがんしん)」とは
「とにかく、何が何でも極楽へ往きたい!と願う心」
なのです。