五重相伝(ごじゅうそうでん)という、
浄土宗の念仏の教えを五つ重ねにして
相伝する法要があります。
あるお檀家さんのご主人は、
五重相伝(ごじゅうそうでん)を受けてから
一筋の念仏者になられました。
常にお念仏を称える人になられたのです。
奥さんが仰います。
「この人、恥ずかしいんですよ。
電車の中でもブツブツお念仏称えているんです」
ご主人は「いいじゃないか。迷惑かけてないんだから。
大きな声で称えている訳でもないし」
これはとても有り難いことです。
ただし、法然上人は、周りに気をつけるように仰っています。
念仏以外の信仰を持っている方や、
念仏を称える声を耳障りに感じる人もいるでしょう。
人に念仏への悪意を起こさせてはいけません。
ですから私は電車の中では「舌の動く程度」に称えています。
私が称えていても隣の人は全く気づきません。
でもちゃんと舌を動かして称えています。
周りに気遣うことなく、あたり構わず称えていると、
人と摩擦を起こして、続けられなくなるかもしれません。
気をつけながらも念仏を続けていきたいものです。