2021年2月15日月曜日

二河白道(にがびゃくどう) ③ 二河白道(にがびゃくどう)の譬え その一

「二河白道(にがびゃくどう)の譬え」とは、


法然上人のお師匠さまである、


中国の善導大師(ぜんどうだいし)の


『観経疏(かんぎょうしょ)』という


書物に出る譬えです。


この「二河白道(にがびゃくどう)」は、


「極楽往生を願う心」について説くための譬えなのです。




東の方から旅人が西へ向いて


一人トボトボと歩いて来る。


道を尋ねようとも教えてくれる人とも出会わない。


その旅人の目の前に突然二つの河が現れる。


南側にはは火の河、北側には水の河。


二つの河は底なしの深さで、広さは百歩(ひゃくぶ)。


     ※善導大師が活躍された中国唐の時代は、一歩(いちぶ)が

        1.56メートル。よって百歩(ひゃくぶ)は156メートル。


南北には際限なくずっと続いている。


その水と火の二つの河の間に


白い道が一筋通っている。


その道の広さは4,5寸(12㎝~15㎝)で、


長さは川の幅と同じく百歩(ひゃくぶ)。


その白い道に北の水の河からは波が被さる。


南の火の河からは炎に覆われ、道が焼かれる。


水と火が交わって止むことがない。


旅人が一人寂しく旅をしていると、


獣や賊が狙い襲ってくる。


逃れようとして西へ西へと進んだときに


この二つの河が目の前に現れた。