「二河白道(にがびゃくどう)の譬え」とは、
法然上人のお師匠さまである、
中国の善導大師(ぜんどうだいし)の
『観経疏(かんぎょうしょ)』という
書物に出る譬えです。
この「二河白道(にがびゃくどう)」は、
「極楽往生を願う心」について説くための譬えなのです。
東の方から旅人が西へ向いて
一人トボトボと歩いて来る。
道を尋ねようとも教えてくれる人とも出会わない。
その旅人の目の前に突然二つの河が現れる。
南側にはは火の河、北側には水の河。
二つの河は底なしの深さで、広さは百歩(ひゃくぶ)。
※善導大師が活躍された中国唐の時代は、一歩(いちぶ)が
1.56メートル。よって百歩(ひゃくぶ)は156メートル。
南北には際限なくずっと続いている。
その水と火の二つの河の間に
白い道が一筋通っている。
その道の広さは4,5寸(12㎝~15㎝)で、
長さは川の幅と同じく百歩(ひゃくぶ)。
その白い道に北の水の河からは波が被さる。
南の火の河からは炎に覆われ、道が焼かれる。
水と火が交わって止むことがない。
旅人が一人寂しく旅をしていると、
獣や賊が狙い襲ってくる。
逃れようとして西へ西へと進んだときに
この二つの河が目の前に現れた。