2021年5月24日月曜日

仏説阿弥陀経⑰

(本文)


舎利弗(しゃりほつ)、


かの仏の国土には微風(みふう)吹いて、


諸もろの宝行樹(ほうごうじゅ)


及び宝羅網(ほうらもう)を動かして


微妙(みみょう)の音を出せり。


譬えば百千種(ひゃくせんじゅ)の楽(がく)を


同時に倶(とも)に作(な)すが如し。


この音を聞く者は、皆自然(じねん)に


念仏・念法(ねんぽう)・念僧の心を生ず。


舎利弗(しゃりほつ)、その仏の国土には、


かくの如きの功徳荘厳(くどくしょうごん)を


成就(じょうじゅ)せり。




(現代語訳)


〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉


舎利弗(しゃりほつ)よ、


極楽にはそよ風が吹いていて、


多くの宝の並木や宝の網を


そよ風が吹き動かして、


素晴らしい音を出している。


その音はまるで百千種類もの楽器を


同時に演奏するようなものである。


その音を聞く者は、


誰もが自ずと仏を念じ、仏の教えを念じ、


仏教教団を念じる心が生まれる。


舎利弗(しゃりほつ)よ、


極楽はこのようにすぐれた功徳で


飾られているのである」






(解説)


極楽には常に丁度程よいそよ風が吹いていて、


その音がたくさんの楽器で演奏される


オーケストラのように響き、


身に染みわたってくるのです。


その音が素晴らしいといっても、


それは娯楽ではなく、そんな音すらも


有り難い法に聞こえてくるのです。


ですから、極楽での修行は苦しいものではなく、


とても心地よく進んでいくのです。