(本文)
舎利弗(しゃりほつ)、
少善根(しょうぜんごん)福徳(ふくとく)の
因縁をもって、かの国に
生ずることを得(う)べからず。
(現代語訳)
〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉
舎利弗(しゃりほつ)よ、
少しばかりの功徳では、
極楽に生まれることはできない。
(解説)
何事をなすにも「目的」と「手段」の
二つが揃わなくてはなし得ません。
目的だけで手段が伴わなければ、
目的を達することはできません。
手段だけで目的がなければ、意味がありません。
それと同様、「極楽へ往生する」という目的のためには、
それに合った手段が必要です。
その手段が、私たちのわずかばかりの「善」や「福徳」
では「極楽へ往生する」という目的を達成することは
できない、と説かれているのです。