2021年3月2日火曜日

下品下生(げほんげしょう) ⑨ 下品下生(げほんげしょう)その七

(本文)


蓮華の中において、十二大劫(じゅうにだいこう)を


満(まん)じて、蓮華まさに開く。


観世音(かんぜおん)、大勢至(だいせいし)、


大悲の音声(おんじょう)をもって、


それが為に広く諸法実相(しょほうじっそう)、


除滅罪(じょめつざい)の法を説く。



(現代語訳)


蓮華の中で十二大劫(じゅうにだいこう)


という時間を丸々過ごすと、


蓮華はようやく花開き、


観世音菩薩と大勢至菩薩が


大悲あふれる御声で、


その人のために諸法実相(しょほうじっそう)と


除滅罪法(じょめつざいほう)を


詳しく説き明かす。


聞き終えるとその者は大いに喜び、


まさにその時、菩提心を発(おこ)す。






下品下生(げほんげしょう)の者は、


極楽浄土に往生した後、


十二大劫(じゅうにだいこう)という長い間


蓮の中で待ち、ようやく華が開きます。


華が開くと観音勢至菩薩の声が聞こえてきて、


地獄に堕ちるはずの罪が消えるのです。


そして極楽において、仏になるための修行が


始まるのです。