2021年3月23日火曜日

三義校量(さんぎきょうりょう) ⑤ 疑問に対する回答

(本文)


答えて曰わく、汝五逆(ごぎゃく)・


十悪(じゅうあく)の繋業(けごう)等を


重(じゅう)と為し、


下下品(げげぼん)の人(にん)の十念を以て


軽(きょう)と為して、


罪の為に牽かれて先ず地獄に堕して


三界(さんがい)に繋在(けざい)すべしと謂わば、


今当(まさ)に義を以て校量(きょうりょう)すべし。




(現代語訳)


答えましょう。


あなたは五逆(ごぎゃく)や


十悪(じゅうあく)の苦しみ迷いの世界に


縛り付けられる行いが重いとし、


下品下生(げほんげしょう)の人の十念を


軽いとみなしています。


その罪によって、まず地獄に堕ちて


苦しみの世界に縛られるのが当然であるのに、


そうではないのが理屈に合わない、


ということですね。


では今その両者の重さを秤に掛けてみましょう。






一生悪の限りを尽くした大悪人の業(ごう)と


その人がお念仏を称えた業はどちらが重いのでしょうか。


『往生論註(おうじょうろんちゅう)』では、


仏法に基づいて、三つの量り方示されています。


これを「三義校量(さんぎきょうりょう)」といいます。