2020年6月24日水曜日

仏教入門④(四苦〈病苦・死苦〉)

病苦」は「病の苦しみ」です。

誰も病気になりたい人はいないのに、

生きていればいつか病気になる時もやってきます。

しかし実際に病気になると肉体的な苦しみはもちろんのこと、

精神的にも苦しい思いが溢れます。

「なぜ私だけがこんな目に遭うの?」

「このままずっと治らないの?」

「何であの時に気づかなかったのだろう?」

不安・後悔・怒り。

さまざまなネガティブな感情がわき起こってきます。

「病気のない人生」であって欲しいですが、

それが思い通りにならないのです。

そして究極は「死苦」です。

浄土宗第二祖聖光上人は

八万の法門は死の一字を説く」とおっしゃっています。

「八万の法門」というのは「お釈迦さまが説かれたすべての教え」

という意味、つまり「仏法」です。

仏法は死を説いているのだ」ということです。

生きていれば必ず死を迎えるということは誰でも知っていますが、

それを自分のこととして受け入れることは人生最大の難問です。

死にたくなくてもいつかは死に至りますし、

逆に「もういい」と思っていても寿命はコントロールできません。

「死をコントロールできるならいつがいいか?」などと考えると、

「子どもが学校を卒業するまで」と思うかもしれません。

しかしよく考えると「子どもが自立するまで」

「家庭をもつまで」「孫の顔を見るまで」「孫が成人するまで」

と区切りがつかなくなることもあるでしょう。

そしてその時点が来たらパッと覚悟できるかというと、どうでしょうか。

そしてそんな妄想自体がナンセンスで、やはり思い通りにはなりません。

『仏教思想のゼロポイント』
魚川祐司


3月後半のことば

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