2024年9月14日土曜日

9月後半のことば

 9月後半のことば

「言葉を大事にすると悪口が言えなくなる」


仏教では、悪口は「あっく」と読み、人をあしざまにののしることを指します。

悪口は十悪の一つとして代表的な悪事に含まれていますが、皆さんはその程度のことは誰でもするものだと軽く考えていませんか?

一般的に、悪口とは他人をけなすことを指します。

他人をけなすことは言葉で傷つける攻撃であり、それだけでなく自分の心をも汚し、傷つける悪業となります。

そしてその言葉の行いが、人生を悪い方に向かわせるのです。

言葉は私たちの心の鏡です。

言葉を大切にすることは、自分自身を大切にすることと同じです。

言葉を慎重に選び、優しい言葉を使うことで、私たちの周りには温かい雰囲気が生まれます。

悪口を避けることで、自らの心の平安が保たれ、少しずつ人生が好転していくでしょう。

言葉での行いは、かくも大切なことなのです。

言葉を大事にしましょう。


2024年8月31日土曜日

9月前半のことば

 9月前半のことば

「不満が不満を呼ぶ」


 「不満」とは満足していないこと。

「満足していない」と聞くと、幼い時に父が買ってきてくれた、シェル・シルヴァスタインの『ぼくを探しに』という絵本を思い出します。

主人公の「ぼく」は、自分に欠けているカケラを探しに旅に出ます。

道中で様々な出会いや経験をし、ついにカケラを見つけて完璧な形になりますが、完璧になったことで失うものもあることを知るのです。

「ぼく」は、欠けたままで「ぼく」であり、欠けたところが埋まっても、また新たに不満に感じることが出てくるということに気づきます。


現状に満足せず、高みを目指して努力することは、競争社会においては賞賛されることでしょう。

ただ、ずっと「不満」であれば、ずっと満足できないのですから、人はそれを「不幸」と呼びます。

生きていれば高みを目指して努力できない時だって、きっと出てきます。

ですから、どのような場面でも「今がヨシ」と思えたら最高ですね。

2024年8月14日水曜日

8月後半のことば

 8月後半のことば

「反省とは前進するための土台である」

 

仏教では、自分の行いが積み重なって、自分の未来の結果が生み出される、と教えられます。

自らの過去の行いと現在の行いが未来に影響を与えるのです。

行いとは「身体」と「言葉」と「心」から生まれるものです。

テストで悪い点を取った時、その原因を反省し、次回はどうすれば良い点が取れるかを考えることが大切ですよね。

このように、反省の過程で自分の行いを見直し、改善することで、未来の結果が変わってきます。

ところが、反省もせずにやみくもに前進をしていたら、きっと同じ失敗を繰り返すことになるでしょう。

反省することで、自分の過去の行いを振り返り、未来に向けてより良い行動を選択することができるようになります。

失敗を恐れず、反省を通じて成長することで、より良い自分に近づくことができるのです。

反省は決して後ろ向きなものではなく、前進するための大切な土台となるものです。

反省して「身体」と「言葉」と「心」の行いを変え、未来を切り開いていきましょう。


2024年7月31日水曜日

8月前半のことば

 8月前半のことば

「親の声 聞こえてきそう 墓洗う」

 

もうすぐお盆です。お盆が近づくと、多くの方がお墓参りをすることでしょう。

お墓を洗い、掃除していると、親の生前の言葉や、共に過ごした思い出がよみがえってきます。

何気ない時に褒めてくれたこと、落ち込んでいる時に励ましてくれた言葉、自分勝手なふるまいを叱られた思い出などが、次々に浮かんでくるかもしれません。

元気な時には受け入れられなかった親の言葉や行動を、長い時間を経て、素直に受け取ることができるようになることもあるでしょう。

また、かつての自分の未熟さに気づいたり、逆に当時の親の未熟さを、今の自分が共感できるようになっている場合もあります。

親も子もお互い凡夫同士です。


お仏壇やお墓をお参りする時には「仏さまが目の前にいらっしゃる」「先に極楽へ行かれたお母さんがここにいてくださる」と、心を向けることが大切です。

仏さま、ご先祖さま、ご両親が「ここに在(ましま)す」「いますが如く」という気持ちで語りかけ、お念仏を称え、心を込めてお墓をきれいにしましょう。

その行為によって、あなたの心も清められることでしょう。


2024年7月14日日曜日

7月後半のことば

「合掌の その同じ手で 蚊を殺め」

 

仏教では生き物を尊重し、できるだけ殺生を避けよと教えられています。

しかしながら、現実には蚊に刺されると反射的に叩いてしまうこともあるでしょう。

理想を語りつつも、現実に実行にうつすことは難しいものです。

殺生だけでなく、私たちは日常生活の中で、理想と現実の間で葛藤することが多々あります。

平和を願いながらも、怒りや憎しみに駆られることもあるでしょう。

これは私自身の煩悩のなせる業です。

「仕方ないじゃない」と開き直るのは簡単ですが、煩悩を野放しにしていると、自らが自らの行いによって、どんどん不幸になってしまいます。

法然上人は煩悩から逃れられない凡夫が極楽浄土へ往くことができる、お念仏の教えを説いてくださいましたが、煩悩の野放しを容認されたわけではありません。

その一つの目安として「足るを喜べているかどうか」と「目上の方を敬い、目下の方を慈しむことができているかどうか」を挙げてくださっています。

いかがでしょうか?

ついついやってしまう行動の中に、自分の煩悩の影響が強くあることに気づき、少しでも気をつけることが大切なのです。

2024年6月30日日曜日

7月前半のことば

 7月前半のことば


「夏は嫌、冬は嫌だと年をとり」

 いつも何かに不満を持っている間に、気づけば人生が過ぎてしまいます。それなのに現実の私たちは、日常的に夏には「暑いですなあ。早く涼しくなって欲しいですなあ」と不満を言っていませんか?

冬には「寒いですなあ。早く暖かくなって欲しいですなあ」と不満を言っていないでしょうか。暑くもなく寒くもない快適な時季にでさえ、「ちょうど好い季節ですなあ。でももうすぐ暑くなりますなあ。嫌ですなあ」とまだ来ていない猛暑に対して不満を言ってしまいがちです。

 一年中不満を言っていることは、一生不満を言っていることと同義です。

 人生は、常に変化する天候のようなものです。夏の暑さや冬の寒さに不満を持つことは、自然な反応かもしれませんが、それに囚われては、人生の美しい瞬間を逃してしまいます。

快適な季節を過ごしているのに、来るべき暑さに思いを馳せ、不満を抱くことは、幸せを見逃すことになりかねません。そして一年中、そして一生を通じて不満を持ち続けることは、自分自身の幸福を見落とすことに他なりません。

 天気をコントロールすることはできませんが、私たちの心の持ち方は変えられます。

 「雨も良し、晴れも良し」と受け入れ、今この瞬間を肯定的に捉えることで、人生はより豊かなものになるでしょう。そうすれば、「私の一生は満足でした」と心から言える日が来るはずです。

2024年6月14日金曜日

6月後半のことば

 6月後半のことば

「腹の立つことは明日言え」


腹が立ってキレてしまい、後悔したり失敗したことはありませんか?

アンガーマネージメントという心理トレーニングでは、「6秒ルール」なる怒り抑制の技術があるそうです。

カーッと腹が立った時に、6秒間だけ、その気持ちを表に出さないように堪えるというのです。 

腹が立って思わず言い返してしまいそうになったら、心の中でゆっくりと1から6まで数を数えてみましょう。

怒りの気持ちは、一時的に高まっても、しばらく時間をおくことによって、少し収まってくるものです。

6秒でも効果があるなら、一晩おけばなおのことでしょう。

もし友達が約束を破ったときも、すぐに怒るのではなく、一晩待ってみましょう。

次の日には、怒りが少し落ち着いて、友達と話し合い、改善に向かうことができるかもしれません。

時間を味方につければ、少し心が落ち着き、より良い解決方法を見つけることができることでしょう。  

9月後半のことば

 9月後半のことば 「言葉を大事にすると悪口が言えなくなる」 仏教では、悪口は「あっく」と読み、人をあしざまにののしることを指します。 悪口は十悪の一つとして代表的な悪事に含まれていますが、皆さんはその程度のことは誰でもするものだと軽く考えていませんか? 一般的に、悪口とは他人を...