2023年11月29日水曜日

12月前半のことば

12月前半のことば

「他人を踏みつけて幸せを得ることはできない」 

他人を踏みつけ、傷つけてのし上がるのが競争社会においては避けられない行為であり、生きていく術のように言われることがあります。

しかしながら、他人を傷つけて得た幸せは、本当の幸せとは言えません。

仏教では他人を傷つける行動・言動・意志を「悪い行い」だと説きます。

「悪い行い」とは自分を傷つける行為です。

「悪い行い」の結果は必ず「苦」という形で自分に返ってきます。

他人を傷つけているつもりが、実は自分を傷つけてしまっているのです。

私たちは皆、同じ世界を共有し、関係し合って生きています。

真の幸せは、他人を尊重し、思いやりの心を持つことから生まれるのです。


2023年11月13日月曜日

 

11月後半のことば

「人生は思い通りにならない」 

お釈迦さまは「人生は苦である」とお説きくださいました。

「苦」とは、単に苦しいという意味だけでなく、

「思い通りにならない」という意味です。

なぜ思い通りにならないのでしょうか?

それは私たちが「思い通りにならないもの」を

思い通りにしようとするからです。

たとえば、老病死は思い通りになりません。

他人は思い通りになりません。

家族も思い通りになりません。

自分の身体さえも思い通りになりません。

他人からの評価は思い通りになりません。

天気も景気も思い通りになりません。

私たちはこのような

「思い通りにならないもの」を

思い通りにしようとして、

それが叶わず「思い通りにならない!」と怒り苦しむのです。

何と不合理なことでしょう。

苦しみを感じた時には、まずは

「自分ではどうにもならないことを

思い通りにしようとして悩んでいないか?」

と自分に問いかけてみましょう。

そして自分でできることをしていくことから

はじめましょう。

2023年10月30日月曜日

11月前半のことば

「目に見えるものだけに囚われないで」 


私たちは五感で知覚できるもの、つまり色や形、音や匂い、味や触感などを頼りにし、求め、それらを信じて生きています。

これらは物質的な現象であり、私たちの生活に欠かせないものです。

しかし、これらは常に変化し、消滅するものです。

それに執着したり、それだけで満足したりすることは、私たちを迷いに導きます。

目に見える物質的なものに執着しすぎると、心の平安を失ってしまいます。

例えば、お金や家、土地、自分に関わる人たち、自分の容姿などにこだわりすぎると、それらを失うことを恐れて不安になったり、それらを得るために他人と競争したり争ったりすることになり、心を疲弊させてしまいます。

これは仏教では「煩悩」と呼ばれる心の病気であり、苦しみの原因と考えます。

仏教では、物質的なものに執着せず、心を清らかに保つことが大切です。

心の平安は、自分の内側にあるものであり、外側にあるものではないのです。


2023年10月13日金曜日

10月後半のことば

 

明日死ぬかのように生きよ

永遠に生きるかのように学べ   ガンジー

 

 

この言葉は、ガンジーが自分の人生を通じて実践した非暴力・不服従の精神や平和への希求を表しています。
ガンジーは、死や苦難を恐れずに自分の信念に従って行動し、同時に自分自身や他者や世界について常に学び続けました。
ガンジーは、人間は変われる生き物であり、間違いから学ばなければならないと考えました。
明日死ぬかのように生きるとは、今この瞬間を大切にするということでしょう。
過去に囚われず、未来に執着せず、自分の心と行いに責任を持つということです。
永遠に生きるかのように学ぶとは、常に自分を磨き、成長し続けるということでしょう。
知識だけでなく、慈悲や智慧も学びたいものです。 

2023年9月29日金曜日

10月前半のことば

10月前半のことば

変化を嫌えば苦しみをともなう

 

あらゆるものは常に変化しています。それなのに私たちは現状に執着したり、自分の思い通りにならないことを拒絶して自ら苦しみを生むのです。

長く付き合っていると、自分や相手の気持ちや環境が変化することによって、永遠に続くと思っていた人間関係も変わっていきます。それを拒否した時に、私たちは辛い思いをします。

子どもが成長して親元を離れたり、自立するとき、親は寂しさを感じたり心配をします。それを子どもが自分の人生を歩むために必要な変化であると思う反面、「いつまでも自分の手の中に入れておきたい」と執着して辛さを感じます。

また、年齢とともに体力や健康が衰えたり、病気になったりするとき、老いや死に対する恐怖や不安を感じてしまうかもしれません。しかし、それは生きている限り避けられない変化であり、若さや健康を永遠に保つことはできません。

 このようなことはわかっていても、腹の底に落とし込むことは困難です。まずは何かストレスを感じた時に、「あらゆるものは変化する」という無常の道理に逆らって自らを苦しめていないか?と自問することを繰り返すことから始めてみてはいかがでしょうか。

2023年9月13日水曜日

 9月後半のことば

彼の岸をめざしてお念仏を

 

お彼岸とは、春と秋にある一週間のことで、この時期にはお日さまが真東から出て真西に沈みます。

お日さまが西に沈むのを見て、西の彼方にある幸せな世界「極楽浄土」へ思いを馳せて「いつか極楽へ行けますように」と願って、日頃以上にお念仏を称えるのがお彼岸です。

つまりお彼岸は「お念仏強化週間」です。

「彼の岸」は、南無阿弥陀仏とお念仏を称える人が、命尽きる時に行くことができる「極楽浄土」のことです。

「極楽浄土」はその名前の通り、「最高に幸せな世界」。

私たちが今住んでいるこの世界は、いろいろな苦しみや悩みがあります。

この世でお念仏を称えて精一杯生ききった後には、最高に幸せな世界「極楽浄土」に生まれることができます。

 極楽は死を迎えたから仕方なく行くところではありません。

 目指して行くところです。

お彼岸には普段よりも「南無阿弥陀仏」とお念仏を称えて、いつか必ず極楽浄土へ行けることを願いましょう。

2023年8月30日水曜日

9月前半のことば

どんな日もかけがえのない一日


仏教では「人生は苦である」と説きます。

しかし、それは悲観的な見方ではありません。

むしろ、苦を乗り越えて幸せになる方法を示しているのです。

苦の原因を私たちは外部に求めて「○○のせい」としたいところですが、仏教ではそうは説きません。

苦の原因は私自身の「心の歪み(煩悩)」にあると説くのです。

苦から解放されるためには、まずは自分の心をよく観察し

「自己中心的な考え方になっていないか?」と自問自答することが大切です。

自己中心的な煩悩で膨らんだ見方では、毎日を「どんな日もかけがえのない一日」と捉えることはできないでしょう。

仏教の教えは、私たちに生き方のヒントを与えてくれます。

「どんな日もかけがえのない一日」と感じられるように、仏教の教えを実践してみましょう。

12月前半のことば

12 月前半のことば 「他人を踏みつけて幸せを得ることはできない」   他人を踏みつけ、傷つけてのし上がるのが競争社会においては避けられない行為であり、生きていく術のように言われることがあります。 しかしながら、他人を傷つけて得た幸せは、本当の幸せとは言えません。 ...