2020年10月14日水曜日

四誓偈(しせいげ)⑪

(本文)

 願我功慧力(がんがくえりき)

 等此最勝尊(とうしさいしょうそん)

 斯願若剋果(しがんにゃっこっか)  

 大千応感動(だいせんおうかんどう)  

 虚空諸天人(こうくうしょてんにん)  

 当雨珍妙華(とううちんみょうけ) 


 (読み下し)

 願わくは我が功慧の力 この最勝尊に等しからん  

この願もし尅果せば 大千まさに感動すべし 

 虚空の諸々の天人 まさに珍妙の華をふらすべし  



 (現代語訳) 

 どうか私、法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)の智慧の力が  

世自在王仏(せじざいおうぶつ)と並ぶほどに なりますように。 

この誓いが成就したならば、この世界だけでなく、 

あらゆる仏の世界がそれを讃えて揺れ動くことでしょう。

 虚空におられるたくさんの神々は、  

きっと美しい華を雨のように降らせることでしょう。 




 ここから再び法蔵菩薩の願いです。

 四誓偈(しせいげ)と名付けたのは 

 浄土宗第二祖聖光(しょうこう)上人です。  

もちろん「四つの誓い」が込められていると 

 読み取られたからこその命名です。 

 では聖光(しょうこう)上人は どこをもって

「四つの誓い」だと読まれたのでしょうか。 

 一つ目は冒頭の文です。 

 我建超世願 必至無上道 斯願不満足 誓不成正覚  

「四十八願が成就しなければ、仏にならない!」 との誓いです。 

二つ目は次の一文です。 

 我於無量劫 不為大施主 普済諸貧苦 誓不成正覚  

「娑婆(しゃば)で苦しむ人々を救うことが 

 できなければ仏にならない!」 という誓いです。

 三つ目はそれに続く一文です。 

 我至成仏道 名声超十方 究竟靡不聞 誓不成正覚 

 「私の名前があらゆる世界に広まって、 

 人々が救いのチャンスを得るまでは 仏にならない!」

という誓いです。 

 四つ目は四誓偈(しせいげ)の最後の箇所です。

 願我功慧力 等此最勝尊  斯願若剋果 

大千応感動 虚空諸天人 当雨珍妙華 

 「世自在王仏(せじざいおうぶつ)と

同じように 素晴らしい仏になるぞ!」という誓いです。

 四十八願が法蔵菩薩の具体的なビジョンを示し、

 この四誓偈(しせいげ)は 全体の理念を示すと言えます。 

 (四誓偈の項終わる)

3月後半のことば

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