「行住坐臥にも報ずべし、彼の仏の恩徳を」
「行住坐臥(ぎょうじゅうざが)」というのは、
「歩いていても、立ち止まっていても、
座っていても、寝ていても」ということです。
この四つで、私たちの日常の行動を網羅しています。
これを「四威儀(しいぎ)」といいます。
「四威儀の中に仏の恩徳に報いる」とは
どういうことでしょうか。
一つは「自ら念仏を称えること」
もう一つは「他者に念仏を勧めること」です。
「自ら称え、他者に勧めて、共に極楽に往生しましょう!」
これが、何よりも仏のご恩に報いることになります。
でも、ここでいう「仏」はどなたを指すのでしょうか?
ある人は「阿弥陀さま」といい、
またある人は「お釈迦さま」といい、
またある人は「み仏」といいます。
先に「お念仏を称えること」は、
1,阿弥陀仏の願に随った行為、
「随順仏願(ずいじゅんぶつがん)」
2,お釈迦さまの教えに随った行為、
「随順仏教(ずいじゅんぶっきょう)」
3,六方の諸仏の御心に随った行為、
「随順仏意(ずいじゅんぶっち)」
とまとめることができる、と申しました。
「阿弥陀さまの本願」に対するご恩があります。
「お釈迦さまが浄土三部経を説いてくださり、
私たちにお念仏の教えを知らしめてくださった」
ご恩があります。
「諸仏がお念仏に太鼓判を押し、お勧めくださった」
ご恩があります。
お念仏を称えると、どの仏さまもお悦びくださいます。
ですから、この「仏」は、
「阿弥陀さま」「お釈迦さま」「諸仏」と
受け取りたいと思います。
お念仏を称えて、ご恩に報いましょう。