(本文)
蓮華の中において、十二大劫(じゅうにだいこう)を
満(まん)じて、蓮華まさに開く。
観世音(かんぜおん)、大勢至(だいせいし)、
大悲の音声(おんじょう)をもって、
それが為に広く諸法実相(しょほうじっそう)、
除滅罪(じょめつざい)の法を説く。
(現代語訳)
蓮華の中で十二大劫(じゅうにだいこう)
という時間を丸々過ごすと、
蓮華はようやく花開き、
観世音菩薩と大勢至菩薩が
大悲あふれる御声で、
その人のために諸法実相(しょほうじっそう)と
除滅罪法(じょめつざいほう)を
詳しく説き明かす。
聞き終えるとその者は大いに喜び、
まさにその時、菩提心を発(おこ)す。
下品下生(げほんげしょう)の者は、
極楽浄土に往生した後、
十二大劫(じゅうにだいこう)という長い間
蓮の中で待ち、ようやく華が開きます。
華が開くと観音勢至菩薩の声が聞こえてきて、
地獄に堕ちるはずの罪が消えるのです。
そして極楽において、仏になるための修行が
始まるのです。