(本文)
三の義を校量(きょうりょう)するに十念は重し。
重きもの先ず牽きて能(よ)く
三有(さんぬ)を出(い)ず。
両経(りょうきょう)は一義なるのみ。
(現代語訳)
これら三つの基準で量ってみると、
十念が重いということがわかります。
「重い方に傾く」のですから、
罪が重い人も念仏によって苦しみ迷いの世界から
抜け出ることができるのです。
「業道経(ごうどうきょう)」も
「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」も
同じ理屈で説かれているのです。
この三つの義、「在心(ざいしん)」「在縁(ざいえん)」
「在決定(ざいけつじょう)」の
三義によって量ってみると、
大悪人の罪の重さよりも念仏によって
極楽へ往生させていただく
み教えのの方が勝るということです。