(本文)
仏(ほとけ)、阿難(あなん)に告げたまわく。
この経を観(かん)極楽国土(ごくらっこくど)
無量寿仏(むりょうじゅぶつ)
観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)
大勢至菩薩(だいせいしぼさつ)と名づけ、
また浄除業障生諸仏前
(じょうじょごっしょうしょうしょぶつぜん)
と名づくべし。
汝(なんじ)まさに受持して、
忘失(もうしつ)せしむることなかるべし。
(現代語訳)
釈尊が阿難(あなん)に仰せになった。
「この経を『観極楽国土(かんごくらっこくど)
無量寿仏(むりょうじゅぶつ)
観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)
大勢至菩薩(だいせいしぼさつ)』と名付けよう。
あるいは『浄除業障生諸仏前
(じょうじょごっしょうしょうしょぶつぜん)』
とも名付けよう。
阿難(あなん)よ、汝はこの経を理解し心に刻み、
決して忘れてはならない。
「今拝聴した法話をどのように名付け、
またこの法話の要旨をどう理解すれば
よろしいでしょうか?」
という阿難(あなん)さまからの質問に対する
釈尊のご返答です。
「この話を表すには、【極楽浄土と無量寿仏、
観音勢至菩薩を観る】という意味の名前にしよう」
※無量寿仏…阿弥陀仏のこと
そしてこの話の大要は、「【数々行ってきた業(ごう)の
障りを消し去り、仏の前に生まれるお経】である。
そうであるから阿難(あなん)よ、
これを信じて受け入れて伝え、後の世までも
忘れさせるでないぞ!」との仰せです。