2021年5月11日火曜日

仏説阿弥陀経㉚

(本文)


舎利弗(しゃりほつ)、


北方(ほっぽう)世界にも


焔肩仏(えんけんぶつ)、


最勝音仏(さいしょうおんぶつ)、


難沮仏(なんそぶつ)、


日生仏(にっしょうぶつ)、


網明仏(もうみょうぶつ)有(ましま)す。


かくの如き等(ら)の


恒河沙数(ごうがしゃしゅ)の諸仏、


各おのその国において、


広長(こうじょう)の舌相(ぜっそう)を


出(い)だして遍く三千大千世界に覆いて、


誠実(じょうじつ)の言(ことば)を説きたまう。


汝等(なんじら)衆生(しゅじょう)、


まさにこの称讃(しょうさん)


不可思議功徳(ふかしぎくどく)


一切諸仏(いっさいしょぶつ)


所護念経(しょごねんぎょう)を信ずべし。






(現代語訳)


〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉


「舎利弗(しゃりほつ)よ、


北方(ほっぽう)世界にも


焔肩仏(えんけんぶつ)、


最勝音仏(さいしょうおんぶつ)、


難沮仏(なんそぶつ)、


日生仏(にっしょうぶつ)、


網明仏(もうみょうぶつ)がおられる。


それらのガンジス川の砂の数ほどの、


数え切れないほど多くの仏さまが、


各々の国において、大きな舌を出して、


三千大千世界を覆って、


次のような真実の言葉を説くのである。


あなたがたは、まさにこの阿弥陀仏の


計り知れない功徳を讃え、


すべての仏によって護られることを説く


経典を信じなさいと」






(解説)


諸仏の多さを表す


「恒河沙(ごうがしゃ)」は「ガンジス川の砂」


という意味です。


お経の中には、とてつもなく多い、大きい、長い


ものを色んな言葉で表現されています。


数字の単位にも仏教用語が多く使われています。


一・十・百・千・万・億・兆・京(けい)・垓(がい)・


抒(じょ)・穣(じょう)・溝(こう)・澗(かん)・


正(せい)・載(さい)・極(ごく)・


恒河沙(こうがしゃ)・阿僧祇(あそうぎ)・


那由他(なゆた)・不可思議(ふかしぎ)・


無量大数(むりょうたいすう)


これらはすべて数字の単位です。


一般に使われるのは京(けい)ぐらいまででしょうが、


それより大きい単位がこんなにたくさんあります。


『阿弥陀経』にも出る「恒河沙(こうがしゃ)」以上は


すべて仏典に出てまいります。


「数え切れないほど多く」の仏さまが、


阿弥陀仏を賞賛し、念仏の教えが間違いないことを


証明してくださっているのです。


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