2024年11月30日土曜日

12月前半のことば

 12月前半のことば

「同じこと腹の立つ日と立たない日」


 電車が遅れている時、心が穏やかな日には「仕方ない」と思えるのに、疲れている日や忙しい日には「なんで今日は!」と腹が立つことがあります。職場でも、同僚の些細なミスが気にならない日もあれば、なぜか苛立つ日もあるでしょう。

 子供が朝食の時間にぐずったり、準備に時間がかかることがあります。心に余裕がある日には「もう少し早く起きようね」と穏やかに言えるのに、忙しい日や疲れている日には「早くして!」とつい声を荒げてしまうことがあります。また、配偶者が仕事から帰ってきて、靴を脱ぎっぱなしにしていることがあります。気分が良い日には「靴、ちゃんと片付けてね」と笑顔で言えるのに、気分が悪い日には「なんでいつも片付けないの!」と怒ってしまうことがあります。

 これらの事例は、私たちの心の状態が日々の生活にどれだけ影響を与えるかを示しています。同じ事象であっても、受け取り方が異なるのは、事象自体に良いも悪いもないからです。良い悪いを判断するのは私たち自身で、悪いと判断した時に自分の心を疲れさせてしまうのです。

 できれば感情をコントロールしたいところですが、なかなかそうはいきません。せめて、そういう自分に気づくようにしたいものです。             

2024年11月14日木曜日

11月後半のことば

 11月後半のことば

「危ないのは逆境の時より順境の時」


逆境の時には、我々は注意深く努力し、成長と学びを得ます。

しかし、順境の時、油断の罠が待ち構えています。

仕事が順調な時、自分は失敗しないと安心し、準備を怠ることがあります。

例えば、プロジェクトが順調に進んでいる時に限って、細部の確認を怠り、最終的な品質に問題が生じることもあります。

また、職場での人間関係が良好な時には、同僚の気持ちや意見に無頓着になり、信頼を損なうこともあります。


家庭生活においても、すべてがうまくいっていると安心しがちです。しかし例えば、夫婦関係が順調な時に、日常の小さな感謝の言葉や行動を怠ると、相手に不満を感じさせてしまうことがあるのではないでしょうか。

また、親子関係が良好な時に、子供の変化や悩みに気づかず、後に大きな問題に発展することもあります。


順境の時こそ、慎重さと感謝の心を忘れずに、他者を思いやって過ごさなくてはなりませんね。


4月前半のことば

 4月前半のことば 「受け難き人身を受けて」   この言葉は、浄土宗の開祖・法然上人の御法語「一紙小消息」の一節です。私たちがこうして人間として生を受けていることの尊さを改めて感じさせられます。  人として生まれることは、決して当たり前のことではありません。生物学的に見ても、1億...