2024年11月14日木曜日

11月後半のことば

 11月後半のことば

「危ないのは逆境の時より順境の時」


逆境の時には、我々は注意深く努力し、成長と学びを得ます。

しかし、順境の時、油断の罠が待ち構えています。

仕事が順調な時、自分は失敗しないと安心し、準備を怠ることがあります。

例えば、プロジェクトが順調に進んでいる時に限って、細部の確認を怠り、最終的な品質に問題が生じることもあります。

また、職場での人間関係が良好な時には、同僚の気持ちや意見に無頓着になり、信頼を損なうこともあります。


家庭生活においても、すべてがうまくいっていると安心しがちです。しかし例えば、夫婦関係が順調な時に、日常の小さな感謝の言葉や行動を怠ると、相手に不満を感じさせてしまうことがあるのではないでしょうか。

また、親子関係が良好な時に、子供の変化や悩みに気づかず、後に大きな問題に発展することもあります。


順境の時こそ、慎重さと感謝の心を忘れずに、他者を思いやって過ごさなくてはなりませんね。


2024年10月29日火曜日

11月前半のことば

 11月前半のことば

「嫌なこと 避けちゃ通れぬ 世間さま」


「毎日がパラダイス!」という人生に憧れるのは自然なことですが、現実にはそんな人には出会ったことがありません。

職場では、上司から無理な要求をされたり、同僚との誤解で人間関係がこじれることもあります。

家庭でも、親子の意見対立や配偶者との衝突は避けられません。

逃げ出したくなる瞬間もあるでしょう。

しかし、これらの困難こそが私たちを成長させるのです。

「かつての苦労があって今がある」と感じる人は、「色々あったけれど、今は穏やかに過ごせている」と実感しています。

嫌なことを避け続けると、世間知らずになってしまいます。

ただ、「今日がしんどい」だけなら耐えられますが、「明日も明後日もずっとしんどい」と感じると心が折れてしまいます。

ですから、まずは目の前の小さな問題を一つずつ解決していきましょう。

「無理!」と思っていたことが意外と簡単に解決できるかもしれません。

最終的に「今がヨシ」と思える人生を目指しましょう。



2024年10月14日月曜日

10月後半のことば

 10月後半のことば

「百の理想より一つの実行」


現在、世間は衆議院総選挙の真っ只中です。

候補者たちはそれぞれの理想を掲げ、熱心に訴えかけています。

選挙演説を聞いていると、「理想を語るのはいいけれど、実行してくれよ!」と言いたくなるかもしれません。

しかし、候補者に対してそう思う一方で、自分自身はどうでしょうか?

理想や目標を持つことはもちろん大切ですが、それに向かって一歩ずつ実行していかなければ、何も変わりません。


仏道修行の理想・目標は「苦からの解脱」であり、そのためには煩悩を断ち切って成仏することが必要です。

しかし、その理想が非常に遠いことは明白です。

今私たちにできることは、「南無阿弥陀仏」と念仏を称えて極楽浄土への往生を願うことです。

極楽浄土へ往生した後に、成仏を目指して修行すればよいのです。理想のために、まずは「極楽を願い念仏を称える」ことを実行しましょう。


2024年9月30日月曜日

10月前半のことば

10月前半のことば

「笑顔に定年はありません」


皆さんは最近、笑うことはありますか?

子供の頃は無邪気に笑ったことも多かったでしょう。

学生の頃には箸が転がっても面白かったという方もあるでしょう。

ところが最近は笑うことがすっかりなくなり、いつも眉間に皺を寄せて、不満ばかりを口にしている、そんなことはありませんか?


阿弥陀仏がかつて修行時代、法蔵菩薩であった頃、人と接するときには常に柔和な表情でやわらいだ笑顔をたたえ、親愛の情を込めたおだやかな言葉でお話しされていたといいます。

このお姿を『無量寿経』というお経には「和顔愛語(わげんあいご)」と表現されています。


人を傷つけるような笑いや、馬鹿にしたような笑い顔は、相手を不快にさせるだけでなく、ひるがえって自分をも悪しき方へ導きます。

しかし、優しい笑顔やいたわりの言葉を口にすると、人を和ませ、自分も幸せな気持ちにさせてくれることでしょう。

笑顔に定年はありませんから、いつからでも何歳からでも実行することができるのです。 

2024年9月14日土曜日

9月後半のことば

 9月後半のことば

「言葉を大事にすると悪口が言えなくなる」


仏教では、悪口は「あっく」と読み、人をあしざまにののしることを指します。

悪口は十悪の一つとして代表的な悪事に含まれていますが、皆さんはその程度のことは誰でもするものだと軽く考えていませんか?

一般的に、悪口とは他人をけなすことを指します。

他人をけなすことは言葉で傷つける攻撃であり、それだけでなく自分の心をも汚し、傷つける悪業となります。

そしてその言葉の行いが、人生を悪い方に向かわせるのです。

言葉は私たちの心の鏡です。

言葉を大切にすることは、自分自身を大切にすることと同じです。

言葉を慎重に選び、優しい言葉を使うことで、私たちの周りには温かい雰囲気が生まれます。

悪口を避けることで、自らの心の平安が保たれ、少しずつ人生が好転していくでしょう。

言葉での行いは、かくも大切なことなのです。

言葉を大事にしましょう。


2024年8月31日土曜日

9月前半のことば

 9月前半のことば

「不満が不満を呼ぶ」


 「不満」とは満足していないこと。

「満足していない」と聞くと、幼い時に父が買ってきてくれた、シェル・シルヴァスタインの『ぼくを探しに』という絵本を思い出します。

主人公の「ぼく」は、自分に欠けているカケラを探しに旅に出ます。

道中で様々な出会いや経験をし、ついにカケラを見つけて完璧な形になりますが、完璧になったことで失うものもあることを知るのです。

「ぼく」は、欠けたままで「ぼく」であり、欠けたところが埋まっても、また新たに不満に感じることが出てくるということに気づきます。


現状に満足せず、高みを目指して努力することは、競争社会においては賞賛されることでしょう。

ただ、ずっと「不満」であれば、ずっと満足できないのですから、人はそれを「不幸」と呼びます。

生きていれば高みを目指して努力できない時だって、きっと出てきます。

ですから、どのような場面でも「今がヨシ」と思えたら最高ですね。

2024年8月14日水曜日

8月後半のことば

 8月後半のことば

「反省とは前進するための土台である」

 

仏教では、自分の行いが積み重なって、自分の未来の結果が生み出される、と教えられます。

自らの過去の行いと現在の行いが未来に影響を与えるのです。

行いとは「身体」と「言葉」と「心」から生まれるものです。

テストで悪い点を取った時、その原因を反省し、次回はどうすれば良い点が取れるかを考えることが大切ですよね。

このように、反省の過程で自分の行いを見直し、改善することで、未来の結果が変わってきます。

ところが、反省もせずにやみくもに前進をしていたら、きっと同じ失敗を繰り返すことになるでしょう。

反省することで、自分の過去の行いを振り返り、未来に向けてより良い行動を選択することができるようになります。

失敗を恐れず、反省を通じて成長することで、より良い自分に近づくことができるのです。

反省は決して後ろ向きなものではなく、前進するための大切な土台となるものです。

反省して「身体」と「言葉」と「心」の行いを変え、未来を切り開いていきましょう。


11月後半のことば

 11月後半のことば 「危ないのは逆境の時より順境の時」 逆境の時には、我々は注意深く努力し、成長と学びを得ます。 しかし、順境の時、油断の罠が待ち構えています。 仕事が順調な時、自分は失敗しないと安心し、準備を怠ることがあります。 例えば、プロジェクトが順調に進んでいる時に限っ...