2020年5月30日土曜日

聖光上人のご生涯⑥(法然上人との出会い)

このお二人の出会いがあったからこそ、

今の浄土宗があります。

時に法然上人御歳65歳聖光上人36歳

法然上人はすでに円熟した年齢、聖光上人は男盛りです。

対面するなり法然上人は聖光上人に尋ねます。

「あなたはどんな修行をしているのですか?」

聖光上人は

「今は勧進をして五重の塔の建立に努めています。

普段は念仏を称えています」

と応えます。

法然上人は

念仏には色んな種類がある。

瞑想して浄土を観ようとする観念の念仏。

難しい修行ができない、レベルの低い人が称えるという念仏。

そして善導大師が勧めた念仏。

あなたはどれを学びに来たのか?!

法然上人が浄土宗を建てられたのでは、

三番目の善導大師が説かれたところの、

阿弥陀仏の本願念仏を拠り所としてのことでした。

博学の聖光上人が答えられないこはないでしょうが、

法然上人のオーラに圧倒されて押し黙ってしまわれました。

聖光上人は頭を下げ、法然上人の人格に深く帰依なさいました。

学徳兼備の聖光上人でありますが、

「自分は仏教の修行を積んではいるが、

死の恐怖から逃れる術すら知らない」

と気づかれました。

一流は一流を見抜く力をお持ちだといいます。

自分が求める先をご存じであろう先達、

法然上人という方と出会ったならば、

即座に頭を下げて教えを請われるのです。

法然上人も目を見ればわかります。

求める者にはとことん教えを伝えよう。

聖光上人に善導大師が説かれる

お念仏のみ教えを順々に説かれます。

最初面会されたのが午後2時頃。

それから夜中の12時まで、

10時間もぶっ通しで説かれたんです。

求める聖光上人と、説く法然上人、

一発で信頼し合ったのでしょう。

「この方からもっともっとみ教えを聞きたい。

法然上人とお会いすることがなかったら、

虚しく一生を過ごしたことだろう」

と聖光上人は法然上人の門弟になります。

それ以来今まで培った学問と修行を捨てて念仏の道へ入られます。

これは大変なことです。

今までの蓄積を一切捨てるということですから。

でも本当に救いを求めるにはこういう決断が必要です。

今までの学問と修行を捨てるということは、

自力を捨てるということです。

聖光上人はお母さまとの死別、

三明房さまの出来事などを経験されています。

「いつ死ぬかも分からない」ということを

人一倍強く思っておられたことでしょう。

そして人一倍修行に明け暮れたことでしょう。

しかし修行をすればするほど、学問を重ねれば重ねるほど

ゴールが遠いことがわかってきます。

そんな時に法然上人と出会われたのです。

法然上人が説かれる念仏の教えは、自分を磨いて力をつけて

覚りを開くという自力の教えではありません。

「私は愚かな凡夫である」と自覚して、

阿弥陀さまに救っていただく他力の教えです。

自分の力では覚りには覚束ないということを、

目をそらさずにしっかりと見つめられたからこそ今までしてきた

修行と学問をあっさりと捨て去ることができたのでしょう。

5月から7月までの3ヶ月間毎日法然上人の元で教えを聞きます。

そんな充実した毎日を送っておられた時、

先に康慶に頼んでいた仏像ができたので、一旦九州の明星寺へ戻ります。

そして五重塔に仏像を安置して落慶法要を行います。

福岡県飯塚市の飯塚観光協会ホームページにこのような記載があります。

  「飯塚」という地名がどうしてついたのか、二つの説があります。
   一つは、神功皇后がこの地方を お通りになったとき、
   従軍兵士の論功行賞をなされ、おのおの郷土に帰されたが
   兵士たちはなお皇后の 徳を慕って飯塚まで従い
  「いつか再び玉顔そ拝し奉らん」と深く歎き慕ったといわれ、
   名づけてイヅカ (飯塚)の里と伝えられたといわれます。

   また、一つには聖光上人が、当市太養院において
   旧鎮西村明星寺虚空蔵の再興と三重の塔建立のため、
   民を集めて良材を運ばせたときに炊いたご飯があまって
   小山をつくり、 それがあたかも塚のようであったので
   「メシノツカ」すなわち飯塚と呼ばれるようになった
   とも伝えられています。
  (飯塚市観光ポータル http://www.kankou-iizuka.jp/history/  )

二つ目の説に聖光上人のお話が出ています。

ここでは三重塔と記されていますが、聖光上人の伝記と符合します。

このように明星寺としては聖光上人は大切な人です。

しかし聖光上人は一刻も早く法然上人の元へ戻りたい。

人生決断の時です。

聖光上人は明星寺にて一応のお役を果たした後、

京都へと向かうことになります。

浄土仏教の思想『弁長 隆寬』
梶村昇・福原隆善


仏説阿弥陀経⑪

 (本文) 四辺(しへん)に階道(かいどう)あり。 金(こん)・銀(ごん)・瑠璃(るり)・ 玻璃(はり)をもって合成(ごうじょう)せり。 上(ほとり)に楼閣(ろうかく)有り。 また金(こん)・銀(ごん)・瑠璃(るり)・ 玻璃(はり)・硨磲(しゃこ)・ 赤珠(しゃくしゅ)・碼碯(め...