お釈迦さまはこれらの「思い通りにならないものがある」
ということを「まず認める」ようお勧めくださっています。
お釈迦さまが覚りを開かれた後、深い瞑想に入り、
人々に教えを伝える決意をされます。
そしてサールナートというところで、
かつて一緒に修行した五人の修行者に対して最初の説法をなさいます。
これを「初転法輪」といいます。
以前「お釈迦さまのご生涯」の際にこの話に触れました。
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「四聖諦」は「苦しみから逃れるためのすべ」
を四段階にして説いてくださったものです。
その第一段階が
「思い通りにならないことがあるということを認める」
という段階です。
私たちはその思い通りにならないことを
「思い通りにしたい」と思うけれど、
結局それが思い通りにならないことを苦しく感じるのです。
それをまず「思い通りにならないことがある」
と認めることから始まるのです。
『出家とはなにか』
佐々木閑